見出し画像

【読書記録】おうち性教育はじめます 思春期と家族編

おすすめ度 ★★★★★

めちゃよかった。
我が家では4〜5年前から性教育に力を入れてて、本もいくつか読んでいる。前作「おうち性教育はじめます」もとても良かったけど、10歳までの子ども向け。というか最近の性教育本は、ほとんど10歳までの子(の親)をターゲットにしている。

しかし思春期を目前にした小6息子に、どう接していけば良いのか?もう自分から質問してくることもない。こちらから話を振ったり、聞きだすのも良くないんじゃないか。などなど不安があったので、この本はとても刺さった。


家族の関係性

性教育=生殖に関する教育、ではなく、思春期の家族の関係性がしっかりと書かれている。性教育の範疇を超えて、子育て本として良い本だと思う。

基本的には「去られるためにそこにいる」のスタンスと同じで、子どもの自立をドンと構えて見守るのが大事という内容。

リスニングが大事

「リスニング」とは、子供の言葉と気持ちを遮らずに受け止めること。アドバイスや説教したくなる気持ちをぐっとこらえて聞く。「去られるためにー」でも再三描かれていたけどやっぱ大事なのよね。。

  • ついあれこれ口出しすることはコントロール欲(支配欲)だと自覚する。

  • 口や手は出さない。それでいて耳は傾けることが、思春期の子供への愛情表現になる。

  • 親の不安な気持ちをぶつけずに、距離をおき、干渉やコントロールしたい気持ちを手放す

うぅーーーーわかる。それが大事なことはすごくわかる。でも実践できる自信がない!という葛藤を持ちながら読んだ。うまくいかない時にのお守りワードにしよう。

NOを受け入れることは、子どもの言いなりになることじゃない

「子どもを支配しない、抑圧しない、脅迫しない」という教育方針を取っていると、よく言われるのが「それって子どもの言いなりになるってこと?」だ。

そうじゃない、と思いつつうまく反論できずにいたのだけど、この本が見事に言語化していて驚いた。
それが「親の意見は保ちつつ、NOの結果の責任は本人が担うことを伝える」という部分。そうそれ!それよ!

具体例として、部屋の掃除を勝手にされてキレる息子にどう対応するかというケースが書かれていて

勝手に片付けられたくないのね、わかった(NOを受け入れる)
物の管理や衛生面からも片付けは大事だよね(親の意見)
これからは自分で片付けてね、必要なものが見つからなくても私はフォローできないよ(結果の責任は本人)

これ!これよーー!これやってんのよー!(できない時も多いけど)
さらに、「提出物なくして出せないと目をつけられて内申書に響くよ」などと、必要以上に脅さないことが大事ということも描かれている。不安や恐怖で人をコントロールすることは支配だから。
あーーー!そうこれ!ほんとこれ大事!と机をばんばん打ちたくなった。
だって、みんなびっくりするくらい自然にやってるんだもん。夫もジジババも何の悪意もなく無自覚に「〇〇しないと将来〇〇になるよ」という脅しをかける。
そして、心がけている私でもそれをしたくなる時がある。いかに私達がそう教育されてきたかを感じてしまう。

もちろん性教育も

メインは性教育なので、中高生になって生じるリスクや、接し方についても具体的なエピソードが満載だ。うざがられても話したほうがいいのか、どこまで配慮するべきか、トラブルが起きた時どうすればいいのかなどなど、「あーそうです!それ知りたかったんですー!」という気持ちになる。
かゆいところに手が届く!

私達の世代は、古い価値観と新しい価値観の過渡期なんだと思う。だから上の世代のいうことも理解できるし、でも変わらなきゃいけない気持ちもある。そんな迷いの中で我が子を育てていかなきゃいけないってなかなかハードだ。そういうときに、やんわりと意識をアップデートしてくれるこういう本があるというのは、とてもありがたい。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?