愛になる

それを愛と呼ぶんじゃないだろうか。

この文章は、毎日お送りしている「音のないラジオ『生きているQ』」(メルマガ)の昨晩の回を一部編集して転載したものです。

こんばんは。澤です。
深夜にすみません。
聴いてくれて、ありがとう。

このメールがあなたを
起こしてない事を願いつつ、
深夜放送をはじめます。

こんなに遅くなったのは、
さっきまで四時間以上、
友達と話していたからです。

スカイプ、というか
ズームってやつなんですけど、
それはどうでもよくて、
ある自営業の社長さんとの
濃厚な四時間。

そこでね、
彼の会社の社員さんの
話になったんです。

それがねぇ、
もうたまらなかった。

少し業績が悪化し
不安の多い時期を
過ごされていたという
社長の彼。

心配事はいろいろある。

「一番最悪なのはなに?」

友達なのをいいことに
僕はやや突っ込んだことを
尋ねました。

家族を養えなくなること。
子どもの学校のこと。
奥さんや周りからの視線。
家の引っ越し。

いろんな可能性が
考えられましたが、
彼が言ったのは、

その社員をクビに
しなくちゃいけないこと

でした。

というのも、
友達とその社員さんは、
とても長い付き合いで、
社員になる前から
いろんなかたちで
世話をしていたのです。

お金がなくなりそうなとき
稼ぎ方を教えてあげたり
困ったことがあったら
相談に乗ったり。

持病もあったので、
福祉的に
サポートしてもいた。

そして、
彼の居場所として
社員という立場を
与えたのでした。

そういうことは
経済的に余裕があると
できることです。

でも業績が悪化すると
普通は違ってきます。

社員がクビになったところで
本人も、まわりの誰も
友達を責めないでしょう。

でも、社長の彼は違った。

なによりも、
その社員を
クビにするのを
いやがったのです。

家族よりも。

そのために、
三日も眠れない夜を
過ごしたとか。

「それだけはあかん」

そう言う友達の顔をみて
僕はなぜか
惚れ惚れしました。

疲れた顔でしたが、
なにか明らかなものが
そこにはありました。

それから彼は、
その社員さんが
どれだけ見所があるかを
話しました。

その一つ一つがまるで
恋人について
話すかのようでした。

最近、僕はときどき
こういう場面に
出くわすことがあります。

そういうとき、
体がふわーっと広がって、
遠い、遠い気持ちになります。

「愛だなあ」

つい、 
そう言いたくなります。

遠く、遠くまで
ひびくような
余韻を残して。

人はこれほどまでに
想われることができる。

自分のために、
眠れない夜を
過ごしてくれる人がいる。

生きている甲斐が
あるじゃないか。

僕は友達に
その顔と気持ちを 
ぜひ社員の彼に伝えてほしい
と言いました。

余計なおせっかい
かもしれません。

でも、あれを見たら、
人生すべて
肯定されるくらいの
インパクトが
あるんじゃないかと思います。

そして、恩人の窮地を
救う力になれることほど
幸せなことはない
と思いました。

そのチャンスが
友達と社員さんの間には
ある。

いまも再建の途上ながら、
僕はうれしすぎて、
勝手に幸せな気持ちに
なってしまいました。

なにがあるか
分からない世の中で

「絶対うまくいく」

と言えるときがあるとしたら
こういうときだな
と思いました。

深夜に書いたラブレターは
感情が高ぶりすぎるから
翌日読み返したほうがいい
と言われますが、

これはそのまま
送っちゃいます。

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