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「不条理な死が絶えない」

選挙前です。

8年前のこと、みんな忘れてないですか。

若松丈太郎さんの詩を紹介したいと思います。

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不条理な死が絶えない

戦争のない国なのに町や村が壊滅してしまった

あるいは天災だったら諦めもつこうが

いや天災だって諦めようがないのに

核災は人びとの生きがいを奪い未来を奪った


2011年4月12日、福島県相馬郡飯舘村

村が計画的避難区域に指定された翌朝

102歳の村最高齢男性が服を整えて自死した

「生きすぎた おれはここから出たくない


2011年6月11日、福島県相馬市玉野

出荷停止された原乳を捨てる苦しみの日々があって

40頭を飼育していた54歳男性が堆肥舎で死亡

「原発で手足ちぎられ酪農家


2011年6月22日、福島県南相馬市原町区

家族と別れ自宅でのひとり暮らしもしたりして

93歳の女性が遺書4通を残して庭で自死した

「さようなら 私はお墓に避難します


2011年7月1日、福島県伊達郡川俣町山木屋

計画的避難区域内の家に一時帰宅していてのこと

失職中の58歳女性が近くの空き地で焼身した

「避難したくない 元の暮らしをしたい


2011年5月28日、福島県双葉郡浪江町

商店を営んでいた町が警戒区域となって1年2ヶ月

62歳の男性が一時帰宅中に倉庫内で自死した

「もうこのまま戻れないんじゃないか


遺族たちが東京電力を提訴・告訴しても

因果関係を立証できないと却下されるだろう

生きがいを奪われた人びとの死が絶えない

戦争のない国なのに不条理な死が絶えない

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若松丈太郎詩集「わが大地よ、ああ」より。

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