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書評「The Cubs Way: The Zen of Building the Best Team in Baseball and Breaking the Curse」

Numberのラグビー特集でエディー・ジョーンズが紹介していたので、手にとって読んでみました。

日本語版が出ていないので、原書を読み始めたのですが、英語を読み進めるのは100Pが限界。積ん読になってしまっていたのですが、オーディオブックで音声を聴きながら読み進めれば飽きずに読み続けられるのでは?と思って試してみたら、この方法が僕にはあっていました。時間はかかりましたが、内容もある程度理解した上で読み進めることができました。

本書は2016年にワールドシリーズを制覇したシカゴ・カブスが、どのようにしてワールドシリーズを制覇するチームを作り上げたかをまとめた書籍。緻密な戦略に基づいた選手獲得、データに基づく戦術の活用、GMの戦略、監督のチームビルディングの秘訣などが語られていて、とても読み応えがありました。

僕が一番印象に残ったのは、「The Zen of Joe」というジョー・マドンのマネジメントについて書かれていたパートです。

“I don’t believe in overmanaging. I don’t believe in micromanaging. I believe in players being players, players being themselves, playing without restrictions. I never want to coach instincts out of you. I want your instincts to soar.

「私は、過剰な管理はしない。マイクロマネジメントも信じていません。私は、選手が選手らしく、選手が自分らしく、制限なくプレーすることを信じています。私は、あなたから本能を引き出すためのコーチングはしたくありません。あなたの本能を高めてほしいのです。」

そう語るジョー・マドンは、現在アナハイム・エンゼルスの監督を務めています。大谷翔平が伸び伸びプレーできているのは、マドンのこんな方針のおかげとも読み取れます。

“If we can impact one guy every day, whether it’s by the ‘thought of the day’ or the ‘joke of the day,’ that’s always good. All these little things that you do every day definitely serve the bond bringing people together.”

「毎日、一人でも多くの人に影響を与えることができれば、それが "今日の考え "や "今日のジョーク "であっても、それは常に良いことです。毎日のちょっとしたことが、人と人との絆を深めることになるのです」

一番印象に残ったフレーズはこれです。楽しいこと、笑顔になるようなことの積み重ねが、人と人との絆を深める。これは逆もしかりです。こんなマドンの言葉からも、何かを成し遂げるチームを作るための魔法はないのだなと、改めて感じました。

英語版しかありませんが、とても読み応えがある本です。野球が好きな人、メジャーリーグに興味がある人だけでなく、チームづくりやマネジメントに興味がある人にもおすすめです。


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