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"リスクを取らない"というリスク

元本保証と近視眼的思考

日本人はかなりのノーリスク思考で意思決定・行動していることが多い。言い換えると「失敗したくない」という「元本保証思考」で行動しているケースが多い。例えば自分の資産を株式などのリスク資産に投資せずにほとんど利息の付かない銀行預金に多くを割いたり、失敗する可能性のある新規事業やチャレンジングなことをせずに、上から指示されたことを淡々にこなしていたりするというのが当てはまる。

また日本人は近視眼的に物事を考えることが多いこともリスクを取らない要因の1つである。現在のリターンばかりを見るあまり、将来得られる大きなリターンに目が行かない。将来のリターンは現在から用意しておく必要があり、それにはリスクを取らなければならない。

資本主義社会においては当然のことだが、リスクを取らなければリターンを得られることはできない。リスクの大小の基準は人それぞれだが、何事もノーリスク思考で行動するとその先のリターンを逃がしてしまい、取り返しのつかないことになる可能性もある。

リスクを取ることのメリット

それでは、リスクを取るとどのようなメリットがあるのか。

例えば家計面では、資産を現在0.001%というわずかな利息が付く銀行預金に頼るよりも、銀行の何千倍もの利回り(1%や3%)が付く株式や投資信託に多くを投じたほうが、資産の増え方は圧倒的に早くなる。
(例:100万円を年利0.001%の銀行預金だと利息は10円だが、同じ100万円で年利1%の投資信託だと利息は1万円となり、9,990円の差がつく)
もちろん投資している間に元本割れする期間もありえるが、20年や30年といった長期目線で考えれば銀行預金よりも資産は増える確率は格段に高い。2019年の「老後2000万円問題」以降、投資への機運は高まり、先日もNISA制度の拡充決定で「貯蓄から投資へ」の動きは強まっている。

長期的視点でリスク資産に投資し資産形成を図っていくことがリスクを取ることに対するメリットを最大限に享受できる。


ビジネスにおいても、自分が今までしたことのない仕事に挑戦したり、人や組織を巻き込む大きな事業に挑戦したりと、チャレンジ精神を持っておくと将来においてその経験を生かすことができる。もちろん挑戦していく中で失敗はつきものであるが、それは経験として今後の成功に向けた糧になるので、むしろ失敗もある種リターンの1つであろう。

今後は『「リスクを取らない」というリスク』がさらに顕在化することが予想される。今のうちにリスク許容度を高め、一人ひとりが思うリターンの獲得に向けて行動していくことが大切だと考える。

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