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まとまらない言葉を残していく

今朝は荒井裕樹さん著『まとまらない言葉を生きる』というエッセイ本を題材に1人で喋ったものを収録しました。

今回読んだのは二度目。

印象に残っているエッセイがあったのと、タイトルに惹かれて読み返してみたら刺さる言葉といくつも出会いました。

荒井さんは、ご自身のこれまでの人との出会いや経験から、主に社会で冷遇されたり、差別されたりした人たちは、厳しい境遇におかれたときにどう表現するのかというような問題について研究されている方です。

そして、その研究で出会った言葉についても、本書ではかなり触れられていました。

要約しすぎない

言葉は、ポジティブな側面があるものの、その一面がなかなか言葉にしにくいという言及がありました。

言葉には、疲れたときにそっと肩を貸してくれたり、息が苦しくなったときに背中をさすってくれたり、狭まった視野を広げてくれたり、自分を責め続けてしまうことを休ませてくれたり……そんな役割や働きがあるように思う。  
そうした言葉の存在を、言葉の在り方を、なんとか描き出してみたいのだけれど、大切なものほど言葉にしにくいのが世の常というか、人間の業というか、とにかく手短にまとめたり、きれいに切り出したり、スマートに要約したりすることができない。  
最近、この社会は「安易な要約主義」の道を突っ走っている気がしてならない。とにかく速く、短く、わかりやすく、白黒はっきりとして、敵と味方が区別しやすくって、感情の整理が付きやすい。そんな言葉ばかりが重宝され、世間に溢れている。  

『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹著

白黒はっきりかつシンプルに分かりやすい事ばかりではないなかで、白黒つけていくこと。

これはとても難しいと思うし、白黒つけないと書けないのであれば、ずっと言葉を自分のなかで整理できずにとどめてしまうことになります。

曖昧で、グレーで、それでいて複雑な問題はいくつも存在します。

だけど、何が言いたいかわからない、まとまりのない言葉になってしまう。

いつまとまるのか。

そんなのは、いつと言えないし、今だからこそある感情も自負のなかにあるからこそ、そのまま伝えることは必要だと感じています。

まとまらないのない言葉を残していく。

そのことで、もし似たような気持ちかもと気づけたり、一歩踏み出せるようなキッカケになるのであれば、それでいいと思うように本を読んでなりました。

皆さんは、どのような言葉がありますか?そして残したいですか?

まとまらない言葉を残してみました。

それでは、ほんじゃーにー。

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