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居場所づくりのゴールとは?

成人式→20歳を祝う会

先日は成人の日でした。法律が改正され、成人が20歳から18歳になったことで名称が成人式から20歳を祝う会に変更されていました。

ちょうど私が初めて教員として受け持った学年の子どもたちが20歳となりました。私は3年・5年・6年とその学年を担当し、小学校を卒業させたときの担任としてお祝いのメッセージを求められました。

正直な感想は、小学校に良いイメージをもっている子ばかりではないと思うので、今更小学校の担任がしゃしゃりでるのはどうかなぁと思っています。

お祝いのメッセージを書き、送りました。ですが、当日は家族の予定もあり式への参加は控えました。みなそれぞれ今を生きているし、あまり過去を美化してほしくないからです。賛否両論あるかもしれませんが、私は今の家族との予定を優先しました。

社会的自立

成人の年齢が変わりましたが、そもそも成人とはなんぞやと考えてみました。ざっくり言うと「大人」。抽象的だと、「自分で責任をとれる」となるのでしょうか。

ただ私は教育に関わる一人として、成人を「社会的自立」と捉えてみたいと思います。今まさにそこに向けて取り組んでいるからです。

私は様々な事情で教室に入ることができない生徒のための居場所を学校内で支援する仕事をしています。

その居場所づくり事業の最終ゴールは「社会的自立につながる力を伸ばす」です。この社会的自立という言葉が非常に難解で抽象的で広義な故に、私を悩ませるわけです笑。

「教室にもどる」というゴールなら明確です。なぜ教室に行くことができないのかを把握し、それに向けてスモールステップを踏んでいけばいいからです。

「勉強する」というゴールも明確です。教科書を見て、ワークや問題集を解けばいいからです。

しかし「社会的自立につながる力を伸ばす」となると・・・社会的自立がどんな状態であり、それにつながる力が何かを明確にして、その力がどの程度ついているのかを判断し、どんな行動、活動をしていけばいいのか・・・さっぱりです。

ぶっちゃけてしまえば、どんな行動でも社会的自立につながると言えなくもないし、社会的自立につながらないとも言えます。

私がそんな状態だと、当然子どもも保護者もあやふやなはずです。前進しているのかも後退しているのかも分かりませんし、現状把握ができなくなると支援も難しくなります。

結局多くの教員も保護者も子どもも、とりあえず勉強していればOK。勉強していなかったら少しでも勉強できるようにという意識であるというのが現状です。

しかしこれは今教室で授業を受けている生徒も同じです。本来生きる力を身に付けるための教育課程が、単なる受験のための勉強の場所になっているのではという思うのです。

将来のためにどんな力を伸ばしたら良いのか、そのために何をするのかということを考えたり議論したり行動したりする時間は皆無です。というか意識すらないのかもしれません。

社会的自立とは・・・?

改めて考えるならやはりまず「社会的自立」とは何かということです。人によって様々かと思います。先行研究もなされていますので、興味のある方はぜひ。私もいろいろと考えさせられました。ここではもっと身近で現実的に考えてみたいと思います。

社会的自立という言葉があるということは、「自立」にはいろいろな面があり、社会的とは別の自立があるということです。身近なところでいくと、精神的自立、金銭的自立などですかね。

基本となるのは身体的自立だと思います。文字通り「自分で立つこと」ですね。これは福祉的なゴールです。

次に分かりやすいのは、金銭的自立。自分でお金を稼ぎ、その稼ぎの中で生活ができることです。イメージしやすいかと思います。よくマンガなどで離婚を考える専業主婦がぶち当たる壁です。

精神的自立とは、心の中で自立すること。つまりあの人がいないと生きていけない、という気持ちがないことと一致します。もちろん実際にはいろいろな人の助けがないと生きていけないので、あくまでも心の中でのことです。依存の対義語かもしれません。

そして、大ボス「社会的自立」。社会という仕組みの中での自立ということなので、自分が社会のために何かしら貢献することと私は考えます。乱暴に言えば、社会的自立とは仕事です。

働けるようになれよというのは教育の分野としては言いにくいので、社会的自立と表現しているのだと思います。

まぁでもどんな仕事かによって必要な力なんて全然違うという疑問点は残ります。そして、教員が思う仕事に必要な力って、雇われるための能力づくりであり、みんなとうまくやるための能力であり、経営者に必要な能力ではなく、突出して成果を出す能力ではないんですよね・・・・

うむうむ。思考は終わりません笑

まとめ

今回私は社会的自立について考えてみました。

保護者のみなさま。お子さんの社会的自立のために何が必要だと考えていますか。勉強だけではないと思います。

そして、社会的自立のために何をしていますか。そんなことを改めて考えるきっかけになれたらなと思い、記事を書きました。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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