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腰痛は魔法のコトバ

こんにちは!

私は、総合病院で理学療法士として勤務しています。

今日は「腰痛」についてやっていきます!

腰痛は魔法のコトバ


タイトルにも書いたように、

「腰痛」って腰が痛いと書きます。
非常に便利なコトバです。

腰痛の種類としては、

スクリーンショット (50)

などがあります。

※Compartmentとは、骨、筋膜、筋間中隔などで囲まれた区画をいいます。

私たち施術者は、
その ” 腰が痛い ” という主訴から

いくつもの評価をして、腰が痛い原因を追究していく必要があります。

評価とは?

先程、” 評価 ” というコトバを使ったので、少し確認します。

国際医療福祉大学大学院教授で
理学療法士の石井慎一郎先生の
言葉をお借りすると、

・患者の有する機能障害を的確に評価し、
 原因と結果との因果関係を分析することが重要
・ROM検査や筋力検査、動作観察から
 導き出されるのは「現象」
・いくつかの「現象」を基に、患者の主訴を
 引き起こす原因を推論し
 検証作業を行うことが「評価」

なるほど。「評価」ってコトバを簡単に使ってましたが、

現象を混在して使っていたなーと反省しました。

そして感じたのは、

肩が上がらない。脚の力が弱い。なんだか転びそう。
などは「 現象 」であり、
極端に言ってしまえば、子どもから大人まで、
医療に関わらない一般の方でも、なんとなくわかります。

一方で、「 評価 」は、

推論し、検証作業を行うため、一般の方では難しい。

つまりは、セラピストである私たちの武器は 「 評価 」であり、

ここを磨かなければいけない!ということですね。

障害部位の特定

・圧痛の有無
・片側性か両側性
・筋緊張
・疼痛部位

等を”評価”します。下の図を参照にしてください。

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ここまでをシンプルにまとめると、

腰椎の生理的前弯に対して、過度な前弯を呈している場合
➡ 前弯ストレスを軽減させる
腰椎の生理的前弯に対して、過度な後弯を呈している場合
➡ 後弯ストレスを減少させる
圧痛がある場合
➡ 筋筋膜性、関節性疼痛を疑う
圧痛がない場合
➡ 椎間板、椎体圧迫骨折を疑う
疼痛が片側性の場合
➡ 筋筋膜性、関節性疼痛を疑う
疼痛が両側性の場合
➡ 椎間板、椎体圧迫骨折、コンパートメント症候を疑う

疼痛が片側性、両側性かは、神経支配による影響で判別できます。

脊髄神経は、椎間孔を出ると、前枝と後枝に分かれます。

前枝は、椎体の両側に位置する両側神経支配で
交感神経節や肋間神経、脊髄洞神経に分岐します。

脊髄洞神経 ➡ 後縦靭帯、椎間板、硬膜、骨膜を支配

なので椎間板ヘルニアや椎体圧迫骨折は、両側性の疼痛を伴うことが多いとされています。また、脊髄洞神経は、多髄節支配のため、疼痛部位は広範囲で曖昧という特徴があります。
そのため、疼痛を確認すると、腰部の広範囲をさすったり、本人自身も疼痛部位が曖昧なことが多いです。

後枝は、内側枝と外側枝に分かれます。

内側枝 ➡ 棘間靭帯、棘間筋、多裂筋、
     椎間関節(同一高位と1つ下位の椎間関節)を支配
    → 一側の二重神経支配
外側枝 ➡ 横突間靭帯、腸腰靭帯、
     後仙腸靭帯(仙腸関節)、脊柱起立筋を支配

脊髄神経後枝は脊柱起立筋を貫通して、皮膚領域まで伸びるため、腰臀部の疼痛や痺れに関与することがある。脊柱後弯位では、脊柱起立筋の筋内圧は亢進するため、外側枝が絞扼されて間欠性腰痛を生じさせることもあります。

姿勢に対する負荷

次は、姿勢に対する負荷をみていきましょう!

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左の図は、筋内圧の変動を表した図です。

臥位と比べて立位で筋内圧が上昇することがわかります。
※座位は臥位と同程度で筋内圧は低い

また立位においては、

中間位置や後屈位と比べて、前屈位で著明に上昇が認められます。

また、重い荷物を持つ時にも筋内圧は上昇しますので、

前屈位で重い荷物を運ぶなんて作業はかなり筋内圧が高まるということですね。

右の図は、第3腰椎椎間板にかかる荷重を表した図です。

臥位は相変わらず低負荷です。

筋内圧と比較して異なる点は、
立位よりも座位で負荷が上昇するという点です。

そして、同じように前屈位や重い荷物を運ぶときには、
さらに負荷が上昇すします。

つまりは、

筋内圧は、
臥位・座位と比べて、立位で上昇する
加えて、前屈位や重い荷物を運ぶ動作でさらに上昇する
椎間板内圧は、
臥位 < 立位 < 座位 の順で内圧が上昇する
加えて、前屈位や重い荷物を運ぶ動作でさらに上昇する

ということになります。

なので、シンプルに考えると、

立位で腰痛出現 ➡ 筋筋膜性の可能性
座位で腰痛出現 ➡ 椎間板性の可能性

が高いと言えます。
絶対ではありません。

加えて、障害部位特定の図を参考にして
圧痛や疼痛が片側性か両側性かを見ていくことで、腰痛の特定部位の精度が高まっていくことと思います。

しかし、腰痛を追究していくには、

もっともっと情報、知識が必要なので

次回以降は、
各関節の特徴や、動作のメカニズムについて
noteにしていきたいと思います。

最期まで読んでいただいた方

ありがとうございました。

今後も様々な内容でnoteを更新していきたいと考えています。

少しでも勉強になった、おもしろかった

そんな方がおられましたら、

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気軽にフォローや意見交換をしていきたいので
よろしくお願い致します。

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