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SUGB因果巡
これまでの連載をまとめました。加筆修正しています。(2)~(6)は来週非公開にします。
SUGB 因果巡 第1話「廻と巡」
雷が落ちて一塁手と走者がが吹き飛ばされた。
いつにも増してジャルマウント球場の磁場は乱れていた。走者が出るたびに落雷が起きるので試合自体は全く動くことはないが、チームの人数は着々と減っている。両チーム共にネクロマンサーもバイオメトリックリペアーも用意しているもののチームメイトの肉片が少なすぎた。
しかしSUGB(スーパーウルトラグレートベースボール)に引き分けはない。どちらかが滅亡するまで続
SUGB因果巡(1)~(6)を第一話として一つの記事にまとめようか考えています。(1)~(6)はスキが嬉しいので削除せずに非公開にする感じで。
SUGB 因果巡(6)
赤子は巡と名付けられた。めぐる。その一語の意味は見てまわること、各地を見ること。空から降り立った赤子はきっと様々なものをこの世界で見ることになるだろう。どうかその旅路が良いものになるように、と二人の母が共に願いを込めた名前だった。それから諸々の手続きと多少の賄賂と少々の時間と家族や友人からの多大なる協力があり、巡は正式にシュリとディアナの息子になった。巡・マキシマ・ペールライト。それがこの世界で
もっとみる昨日のつぶやきについて
読んでくださっている方々のお言葉が嬉しい……すぎる!!がんばります。プレイボールまでもうしばらくお待ちください!
SUGB 因果巡(5)
それからシュリと金髪の女性と光る赤子は3人でスターバックスに入店した。その頃には赤子の光は落ち着いていたので、店員も他の客にも不審に思われることはなかった。店内の一番奥の横長のソファ席を取り、それぞれに飲み物とドーナツを頼んで、横並びに座り話し始めてから、シュリと金髪の女性が打ち解けるのに時間はかからなかった。
シュリ・マキシマはスタントパフォーマーだった。ムービースターの代わりに生身で車にぶ
SUGB 因果巡 を更新しても話の進みが遅いと見限られそう(という言い方は大袈裟かもしれないが)ちょっとこわい。今のところ漫画の1話は小分けにして出しているようなものだから
SUGB 因果巡(4)
最初にやってきたのはシュリだった。その日の彼女はガールフレンドにひどいフラれ方をしたばかりで、死にたいと思っていた。ガールフレンドの一件で(もちろん理由の一つではあったが)死にたくなったわけではない。彼女はときどき訳もなく死にたくなるのだった。例えば熱々のピザを食べ終えた時。例えば友人たちとビデオチャットを使っての通話を終えた時。例えば夜がいつもより深い時。
死に場所を求めるようにふらふらとセ
SUGB 因果巡(3)
四月。季節は順調に春へと移り変わっている。
透き通るような青い空を落下する白球は、巡が必死に伸ばした新品のグローブの端に当たった。異常な重力の影響を受けたわけでも、抵抗できないほどの熱風が吹いていたわけでもなく、それはただのキャッチミスだった。そしてグローブにはじかれたボールは狙いすましたように巡の頭の上でバウンドした。驚きと衝撃に巡は身体をのけ反らせ、尻もちをついた。
「へたーくそー!」
SUGB 因果巡(2)
ノートを書き終えた廻はベッドから降りた。記録は武器だ、と廻は信じている。凡庸な投手である自分がSUGBを生き抜くための唯一の武器だと信じている。ジャンボジャンボホテル888階、ガラス戸の外ではそこかしこで星が渦を巻いていた。変わらぬ景色。球団と結んだリスポーン契約により廻の身体と魂は必ずこの部屋へと返ることになっている。繰り返される景色。しかし廻は眼前の暗黒空間を見つめ続ける。予感がした。
(予
星巡り -2020年1月の星-
こんにちは。のびです。
この度、オンライン文芸コミュニティ hoshiboshi さんが毎月(現在は年4回)開催している140字小説コンテストの第3期年間大賞に選んでいただきました。とても嬉しい……。ありがとうございます。
さらに hoshiboshi さんが発行する冊子にも140字小説を掲載していただくことにもなりました。大変うれしい……。ありがとうございます
(こちらがhoshibos