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【新任マネージャー向け】Self-awareness の重要性と良質なリフレクションの手法

みなさん、定期的にリフレクションの時間をとっていますでしょうか?

自己の成長を考える上で、現状を正確に把握すること(Self-awareness)は最も重要な要素だと私は考えています。一方、定期的にリフレクションをしている人は驚くほど少ないと思います。

私は、評価において、コンピテンシーとケイパビリティの両側面から評価を実施するようにしている。そして、コンピテンシーにおいて”Self-awareness”は根幹をなす項目になり、”Self-awareness”が低ければ、あるべき姿とのギャップが見出せず的外れな課題を設定してしまうリスクがありそこからギャップを埋めにいきます。あるべき理想は高く、Self-awarenessが低いために自分には課題がないと勘違いしている人の多さにも驚きます。幸運にもプロモーションして偉くなる人もいますが、振り回される周囲はたまったもんじゃない。

それではどうやって”Self-awareness”高めるのか?私が実践している手法を紹介します。

1) 短時間でも良いので定期的に内省する時間を設ける
自分と向き合う時間を持つことは非常に重要であることはみなさんも認識されていると思う。日記を毎日つけることも取り組んだ経験はあるが、忙しい毎日では忘れることも多く、私は定着させることができなかった。結局、毎週金曜日に「非公開スケジュール30分を確保して内省の時間としている。もちろんリスケを余儀なくさせることはあるが、カレンダーに入っていることで意識することができる。「どんな1週間だったか?」「自分の感情を揺さぶる出来事はあっただろうか?」「他人の感情を傷つける、揺さぶるようなことをしただろうか?」「それはどんな影響を及ぼしただろうか?」自問自答する。これらの問いにスムーズに答えることはそれなりに難しい…しかし、この時間が大切なのだ。

2)積極的に周囲からフィードバックを求める
この行動には二つのポジティブな効果が期待できる。一つ目は「聴く姿勢を持つ人/リーダーだと周囲に認識される」ことだ。加えて、続けていれば「聴くことが習慣化され他人の意見を聞き入れることに慣れてくる」ことだ。日頃から、オープンマインドな姿勢がなければ良質なフィードバックは得られない。このルーチンな行動はリーダーとしての基盤を築いてくれる。

3)アシミレーション&360度調査を実施する
日本人はネガティブフィードバックを本人に伝えることを苦手とする。コンフリクトを避け、何となく不時着させるようなマインドが根付いているのだ。摩擦を起こさずに物事を進めることに関してはポジティブではあるが、本質的な解決には至らない。よって、本音のフィードバックを他人から聞き出すのは容易ではない。アシミレーションは人事などの第三者が介在して行う手法ではあるが、忖度する可能性があること、および他者の時間を割いてしまうため個人的には好まない。それよりも360度調査の実施を勧める。私はマネージャーになる前(約15年)から可能な限り毎年360度調査を実施している。人事を通じて外部業者に委託する場合もあれば、会社のシステムを利用することもある。ここで、「誰が回答したのかわからないため、限りなく本音が聴ける」ということが大切であり、担保できる状況での実施をお勧めする。組織の人数が2-3人と少ないケースではうまく引き出せない場合もある。

4 )多様性のある組織を作る
「なぜ、リフレクションと関係があるのだろうか?」。同質性が高い組織は似通った思考になり、反対意見が出にくい。また、忖度する文化が根付いてる可能性が高くヘルシーではない。日本的な組織ではヒエラルキーも相まって反対意見はいよいよでなくなる。多様性のある組織は相反する意見を生み出し、気づきを与えてくれる。年齢、男女の比率、マイノリティなどバックグラウンドなど多様な人が揃えば多様な目線から意見が出る。自分では想像できなかった意見が出て有益な気付きを得ることができる。また、耳の痛いことを言ってくれる人/部下を近くに置いておきたい。煩わしいと思うことはあるが、Yesマンのみでは一瞬にして裸の王様になってしまう。あえて、異分子をチームに引き入れることも時には重要なのだ。


最後に。日本人はストレートなフィードバックを苦手とする。願わくば、3)を使わなくてもフィードバックが得られる状態を目指したいと私は常に思っている。リーダーとして、異論を唱えることができるヘルシーな環境を整備することは命題だ。VUCAの時代において、1人が強力なリーダーシップを発揮するだけでは舵取りを誤ることがある。メンバーが、本当の意味での心理的安全性を感じ、意見を活発に交し合える組織を作ることが組織を強くする。人と人との関係性もまた組織の強さやアウトプットに強く相関している。

また、2で得られる内容と3で得られる内容を照らし合わせてギャップを確認することで、私はコンピテンシーの健康診断を定期的に実施している。ギャップが大きければどこか悪いところがある(つまり、私と周囲との関係の何かがおかしい)のだ。

私はリフレクションを健康診断みたいなものだと考えている。誰しも自分の悪い部分から目を逸らしたい。ただ、手遅れになってからでは遅いのだ。

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