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体型コンプレックスに苦しむ私を救ってくれた言葉


私は、あまり自分の体型が好きではなかった。


私のように、自分の体型を好きになれない人は、少なくないと思う。

背が大きい、小さい、痩せている、太っている…
そういう身体的な特徴は、からかいの対象になりやすい。


私も、小学生の頃、よくからかわれた。

私は、小さい頃から、ずっと痩せている。
いまも、そう。
159㎝で、体重は30キロ代だ。

マッチ棒みたいとか、豆もやしみたいだとか、言われていた。


皮膚の上からでも、はっきりと骨が見える自分の身体が好きではなかった。

学校のプールの授業や、温泉に入るときも、
自分の身体を見られるのがすごく嫌だった。

自分の体型があまり好きではなかったから、それを隠すようにふわっとした服を着たり、夏でも重ね着をしたりしていた。


スリムでうらやましいと言われることもあるけれど、
私は、ふんわりとした女の子らしい体型にずっと憧れていた。


私とは逆の悩みを抱えている人もいるだろうし、皮膚の色だとか、身長だとか、髪質だとか、いろんな身体のコンプレックスを抱えている人がいると思う。


私の恋人も、背が低いことにコンプレックスを抱いている。
彼は、私と同じ159㎝なので、男性にしてはかなり小柄だ。


ある日、彼はぽつりとこんなことを言った。

「ぼくよりも、背が高くて、かっこよくて、やさしい人は、たくさんいるよ」

彼が、どんな状況でそんなことを言ったのか覚えていないのだが、なにか自信を失うようなできごとが彼に起こったときのことだったと思う。

ちょっと卑屈なセリフだ。

そのとき、私は、背が高いか低いかなんてどうでもいいし、だれが何と言おうと、私は彼ほどかっこよくてやさしい人はいないよと伝えたような気がする。

そして、私だって、やせっぽっちで、胸もお尻も小さいし、肌も白くないし、全然魅力的じゃないし、…と自分自身を引き合いに出して、彼を励まそうとした。

すると、突然、彼は私の言葉を遮って、こう言った。


「でも、ももはきれいだよ」


彼が、いつになく真剣な顔だったから、私はちょっと動揺してしまった。

彼を励ますつもりだったのに、
私のほうが、気づいたら泣いていた。


私は、ずっと自分のからだを醜いと思っていた。

理想とは程遠い体型の私でも、そこは関係なく、彼は私を好きになってくれたのだと思っていた。

でも、痩せているところも、彼はきれいだと言ってくれた。

痩せていることは、私とは切り離せない部分だから、そこを関係ないと言われるよりも、そこを含めて好きなのだと言われるほうが、ずっとうれしいのだと知った。


私も、それ以来、彼が背を小さいことを気にしているときには、背が小さいところも好きなのだと伝えるようにしている。

私と彼は、同じ身長なので、話すときはいつも、顔が近くにあるから、小さな私の声も、彼は聞き逃すことがない。
同じ目線で、同じ景色を見られる。
それはとても素敵なことだと思う。



あなたが、もし、私のように身体的なコンプレックスを抱いているのなら、私はあなたにこう言いたい。


「それでも、あなたはきれいだよ」と。


そして、あなたの大切な人が、身体的コンプレックスを抱いているとしたら、こう言ってあげてほしい。

自分では愛せない部分も、ほかの人に愛してもらえたなら、いとしく感じられるかもしれない。


もうすぐ、バレンタイン。

いつもだったら、きれいだよ、なんて
思っていても、なかなか言えないかもしれないけれど。

愛を伝える日に、あなたの大切な人へ、こんな愛の言葉を贈ってみるのはいかがでしょう。