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妊娠中のことは一生忘れない

妊娠中のことをいつか振り返るための日記みたいなものです。
夫と友人知人への感謝9割、ちょっと暗い話1割です。

「妊娠中に夫にされたことは、一生忘れないわ」
と、よく聞く。主に悪い意味で。

自分が辛いときにされた仕打ちは忘れないのもよくわかる。

一方で、私は妊娠中に夫がしてくれたことを最近よく思い出す。
臨月に入り、もういつ産まれてもおかしくない時期に入っているからかもしれない。

夫はよく「お腹でその子を育てられないし、これぐらいしかできないから」と言いながらたくさんの家事をしてくれた。

妊娠初期のつわりは(きっと)軽い方だったけれど、なんだかずーっと具合が悪く、横になっている時間が多かった。
そんな時に食べれそうなものを聞いて作ってくれるごはんはとても美味しくて、具合が悪いはずなのにモリモリ食べてしまった。

「この子は、夫の作ったごはんで育っているねえ」
と話すと
「そうかあ…責任重大だなあ…」
と嬉しそうにしていた。
次の日のごはんはやけに栄養を意識したごはんになっていて、夫なりに子どものことを考えてくれている気がして嬉しかった。

妊娠初期の頃は流産の確率が高いらしく、しかも胎動もまったく無いので日々不安でしょうがなかった。加えて私は時々微量の出血があって、本やネットで調べれば「出血があった場合は注意」と書かれていて余計に不安になった。

特に夜寝る前には
「この子は元気かなあ、いるかなあ、大丈夫かなあ」
としょっちゅう不安を吐露していた。

その度に夫は、お腹に手を当てて
「うん、いるねえ。いるよ~って返事してるわ。大丈夫。」
と根拠は全くないながらに自信たっぷりに話してくれた。
その度に「そうか…いるか…」と安心してよく眠った。

まだお腹にいるかどうかも分からない時期から寝る前にお腹に手を当ててくれているから、胎動が分かり始めてからも夫が触ればぐんぐん元気に反応していた気がするよ。気のせいかもしれないけど。

一変して、妊娠後期になるとお腹がとても大きくなって、寝苦しい日が増えた。
ある日、眠りながら自分でも分かるほど唸り声をあげていてハッと目が覚めた。横で眠る夫が気づいて、寝ぼけながらも「大丈夫?」と背中をさすってくれていた。
年々涙腺がゆるくなっているので、泣いちゃうかと思った。というかちょっと泣きながら眠った。

書いていればキリがないほどに、夫は私と一緒にお腹にいるこの子を育ててくれていた。私の場合は、夫と一緒でなかったらこんなにも健やかに妊娠期間を過ごせなかったと思う。


夫だけではない。
妊娠中にまわりの人たちがしてくれたことを、私は一生忘れない。

結婚したばかりの頃、ちょうど周りでは子どもが産まれるタイミングの人が多かった。
その喜びがいっぱいに溢れたからか「次は○○(私のこと)の番だねえ」「子どもは可愛いよお~子どもはつくらないの?」と言った言葉をよくかけられた。

その言葉が重なりすぎて、苦しくなった時もあった。
相手にまったく悪意があるわけではない分、気にしすぎてしまう自分に余計ダメージが重なった。新しく命が誕生すること、それ自体はとてつもない奇跡で、尊いものだと思う。しかし、その尊さを「さあ、尊いでしょう?」と一方的に押し付けてしまうことは違うと思った。
子どもがいない人生だって幸せなはずだし、もしも子どもが欲しくても出来なかった場合、子どもをつくる予定がなかった場合、その言葉は残酷すぎないか…?とぐるぐる黒い気持ちが湧き出たこともあった。

そんな経験もあってか、妊娠してからもあまり人に伝えられなかった。結局仕事の関係もあってSNSにぽつりと投稿すると、たくさん「おめでとう」と言ってくれる人がいた。その言葉はただただ嬉しかった。
私のぐるぐる湧いたどす黒い気持ちをホロホロと落とすように、心から喜んでくれる言葉が沁みた。会って伝えられる人に伝えると「楽しみだなあ」と言ってくれる人ばかりで、そこでようやく「今いのちが宿っているんだな…」と実感が湧いたと思う。

臨月に入って、段々と出産が現実的となり不安になった時にもらった先輩ママからのメッセージも嬉しかった。

友達が「これ今は使わなくなったけど生まれたときに重宝するよ」とおさがりを送ってくれたり、「少し早いけれど」と出産祝いをくれた。そろそろ準備しなきゃ…と思っていたものをドンピシャで送ってくれるので、みんなエスパーかと思った。

そうした、ひとつひとつのことが私を元気にしてくれた。
夫とのことだけではなく、周りの人たちがしてくれたことも、一生忘れないだろうな。

私も誰かの助けになれるよう、自分の経験を重ねていって、強くなりたいなあ。

いつもいつもみなさま、ありがとうございます。



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