近所で小さな桜祭りがあった。
お団子貰えたり、みたらし団子貰えたり、引換券を持っていくと桜見ながら、春を楽しめる。

ママは私より近所の人たちと多く連絡先を交換し、モーニングに出掛けたり、ランチに行ったりしていた。

社交的なその性格で、小柄なところと愛嬌があり、にこーっと笑うので可愛がられて過ごしていた。認知症になる前は。

去年もモーニング仲間に私へ連絡があり、誘われてママの運動の帰りに合流した。
３人ははっきりとは聞かないけれど、何となくママの変化を察して、それでも仲良くしてくれた。

写真を撮って、皆の分お茶や、せんべい、お手拭きを用意し、あらぁこんなことまで気が利くねと言われた。あった方がいいかな、を支度しただけなのにくすぐったい。

それじゃと私は離脱しコンビニに写真現像に行き、自宅に戻った。
大丈夫かな。。と思っていたが、皆さんに送って貰い帰ってきたら、ママはにこにこしていて、なかなか現像することの少なくなった写真に皆さん喜んでくれた。

加工アプリで日付を入れた写真を皆さんが見て、こんなこと出来るのねー、と写真現像されたことが嬉しいと言ってくれた。

楽しかった、というママ。
皆さんの顔は覚えていた様子。
桜見ながら友達たちと過ごしたことは、ちょっとテンションも上がっていた去年。

今年はお誘いもなくなったな、
やっぱり、認知症で言葉も出てこなくなり向こうも気を遣うよね、と思ってた。

それでも、桜は咲く。

折角なので、桜祭りにママを連れていった。
雨予報を覆し、日射しもある。
ぜんざいとみたらし団子を貰ってベンチに座ったら、ベンチの下にスミレが、あった。こんなとこに！！！
今年、初めて見た。

あぁ、毎年この祭りに来て、友達と話してたママはもう戻らないんだと感傷的になっていたら、

ママさん！！
と友達の１人が声を掛けてきた。
良かったーママさん！会えた～中々お顔見ないから、でも元気そう！

途端、にこーっとするママ。
話さないけど、嬉しそうにしてる。
にこーっと笑って可愛い！とお友達に言われて更ににこーっとしてる。

その前には今食べる！とみたらし団子一本食べてたが、にこーっと笑って嬉しそう。

桜は、目処になる。
去年の何かと比較しやすい。
桜の頃というのは桜花の背景が記憶にリンクするからだろうか。

毎年、歩かせるために大きな植物園へ桜を見にママを連れていった。もう沢山は歩けない。

あと何回、私は桜を見るだろう。
どんな桜を見られるんだろう。
同じ季節の菜の花でも、木蓮でも、蒲公英でもなく、桜をこの先、どんな気持ちで見るんだろう。

そしてママは
どんな桜をあと何回見られるんだろう、
と思ったら、胸がきゅっと締め付けられた。

#桜 #桜祭り #うちのママの場合 #菫 #スミレ #ソメイヨシノ #春 #桜前線 　 #エッセイ #日記 #感傷 #スキしてみて #今こんな気分 #認知症