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中学校卒業式祝辞

3年生のみなさん、卒業おめでとうございます。
私も3年生の保護者です。こうして自分の子とその同級生を見送りできることを、とても嬉しく思います。

進路がもう決まった人、おめでとうございます。進路がまだ決まってない人、ドキドキしますね。
どちらにしても今日で義務教育は終わります。義務教育とは子ども自身が勉強をしなくてはいけない、という義務ではありません。親が子どもに勉強をさせなくてはいけない、という義務です。それが終わります。つまり法律上これからは、親からみなさんに勉強をしなさいという義務はありません。
これから皆さんが進まれる進路は、最終的に自分で選んだ進路。
高校でキャラ変を狙っている人、大いに結構です。色々な自分を試してください。


友達と弾けるのもいいし、自分の世界に入り込むのもいい。
忘れないでください。失敗してもいいです。たくさんの経験を積むことで人は成長します。
大人に近づくことは、とても楽しいことです。
私は中学高校と友達が一人もいなくて、教室の隅っこでずっとひとりで本を読んでいる男子でした。
まさか30年後にこんな大勢の前でお話をする立場になるなんて想像もしていません。
 
人は変わりますし、社会も変わります。これからの世界がどうなるかなんて、わかっている人はひとりもいません。
みなさんの周りの親も先生方も、自分が15歳のときの予想をはるかに超えた未来を今生きています。
でも一つだけ言えること。それはこれまでよりも自分で自分がやりたいことができるということ。それと同時にやらなくてはならないことも増えるということです。

自分は何をしている時が楽しいのか、そして自分は誰のために何をするのか、この先の人生を楽しみながら見つけて行ってください。
そのときにお願いがあります。
ちょっとだけお節介な人でいてください。自分のやりたいこと、やらなくてはいけないことの他に、ちょっとだけ世の中の役に立つ余計なことをしてください。
困っている友達の話を聞くのもいい。道のゴミをたまに拾うのでもいい。スマホの悪口に加わらないだけでもいい。

皆さんの親や先生方がそうしてきた先に、今の社会はできています。これから皆さんが少しずつ余分なことをすることで、この社会はさらに良くなっていきます。
そして、たまには人生の先輩の話も聞いてください。人生の先輩はみなさんよりもちょっと経験が豊富で、ちょっと豊かな知恵を持っています。
それはきっとみなさんの役に立つはずです。

保護者のみなさま、本日はお子様の卒業おめでとうございます。これまで学校の行事やPTA活動で地域の子どもを見守ってくださり、ありがとうございました。
ずっと一緒だった子どもたちも、それぞれの進路へ別れ別れになっていき、ますます親から見えないところへ離れていきます。
それでも心は離さずに、子どもの未来を見守ってまいりましょう。

教職員のみなさま、思春期の子どもたちを温かくご指導いただき、ありがとうございました。おかげさまで少し大人に近づいた子どもたちを安心して見送ることができます。
この場をお借りいたしまして、お礼申し上げます。

最後に、卒業生みなさんのこれからの人生が笑顔の多いものになりますよう、お祈りしています。今日は本当におめでとうございました。

平成31年3月14日
〇〇中学校 PTA会長 和田のりあき

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