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読書で旅するイタリア、塩野七生と共に

自分の中の、塩野七生熱がアツい。アツくて火傷している。そのため英語多読は進んでおらぬのじゃ…(大義名分…もとい言い訳)。



マレーシア赴任してからしばらくのこと。
10年くらい前に読んだ「ローマ人の物語」を再び読みたくって読みたくって仕方なくなってしまった。その当時の予定では、DIA修行の一環で月一であそびに来るはずだった相方さんに、BOOK OFFで中古の文庫本全43冊を買い揃え、キャリーバッグの容量の許す限り詰め込み毎月持参するように、と厳命したにも関わらず、知ってか知らずかCOVID-19による国境封鎖が立ち塞がる…
結局「ローマ人の物語」は再読できないまま。がしかし、Suria KLCCにある紀伊国屋書店で日本語の書籍を買うことを覚えたため、度々訪れては、塩野七生を補給。「ローマ人の物語」も売ってなくはないが、同じく塩野七生熱に浮かされた輩が次々と買っていくからか、全巻は揃っていない。更に関税諸々で割高。それでも、他の著作でもいいから読みたい。




は?電子書籍が全盛のこの御時世、Amazonでポチったら終わりじゃね?しかもCOVID-19で人混み避けろって言われてんやん?何わざわざ書店に通っちゃってんの?に答えると、日本語の書籍に関しては絶対的に紙の本と決めているからです。頁をばさばさと捲る感覚が途轍もなく好き。読めなくなるその日まで、手放したくはないのです。
しかも文庫本(新潮文庫がお気に入り)の、ジーンズの後ろポケットに突っ込んだって持ち運べる手軽さも好きすぎる。文字通り軽いし。

電子書籍の利便性もわかっていて、このCOVID-19による引きこもり期間中にKindle Whiteを購入するに至る。英語多読用として。最近、"What Is/Was?"といったシリーズものがグルーピングされるという新機能が、知らぬ間に追加されておりおののいた。


とはいえ、紙の書籍の危険性も理解はしているつもりだ…




「ローマ人の物語」を読んでいた20代後半から30代初めの頃は、近所の公立図書館からハードカバーを一冊一冊借りていた記憶がある。このシリーズに手を出したきっかけはとうに忘れてしまったけれど、当時は妙に読みづらく、さらさらっとは読み進められなくて、借用期間である2週間を目一杯使っていたような気がする。一文一文、その意味を噛み締めつつ、行きつ戻りつ読んでいたのかも知れない。
カエサルの章、と言ってもルビコン以前/以後と、ハードカバー2冊に分かれているのだけど、ここは超絶おもしろかったなー。カエサルに惚れ込んでいる塩野七生の筆も、ノリにノッていた印象。映画を見ているかのようで、ページを捲る手を止められなかった。


やっぱり歴史って、History。事実は小説よりも奇なり。ワクワクどきどきハラハラ。後世に生きるわたしたちにとって、最終的にどういう結末を迎えたかは既成の事実かも知れないが、そうなった過程を追っかけていくのは、なんてスリリングな経験だろう。しかも手練れの作家と共に。

最近、私が生まれた年辺りに刊行された「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」を読み終えたばかりで、ヴェネツィア行きたい病に感染している。その勢いで、「コンスタンティノープルの陥落」「レパントの海戦」(「ロードス島攻防記」は既読なので)も手に入れようと画策したが、例の紀伊国屋にはなかった号泣
ショックのあまりふらついていたところに巡り合うこういう本。

チェーザレ・ボルジアかっこよすぎじゃね…何この不遜な感じ(絵が好み)
しかも享年31歳とか…

なんか信長さまっぽいね。日本人の大好きな。チェーザレよりはざっくり半世紀後の人ですけど。


「わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡」も棚になかったので、「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を確保。しばらくは、中世イタリアから目が離せませぬ。



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