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定年バカ (勢古 浩爾)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 私も60歳を越え、ここ数か月で「定年もの」を何冊か読んでみているのですが、どれも “世間的な意味での成功者” の手によるもので、どうもしっくりきませんでした。
 いかにも正論・理想論的な内容の “平凡さ” に少々辟易したので、思い切りのいいタイトルをみて、これはどうだと手に取った本です。

 著者の主張は、この手の本で定番の「地域社会への貢献」とか「資格を取って自立」とかの勧めとは全く異なります。「自分のしたいことをすればいい」、「したくなければしなくていい」、要は、“自分自身にとって「意味」があると思えるように過ごせばいい” という考え方です。

 私のような “ずぼら系”の人間にとっては力強い応援団からのエールですが、正直なところ、実際、そうだろうなと思います。
 動機が「利他」であっても「利己」であっても、自分自身がそうしたいと思うことをしているのでしょう。もし、それが他者らの強制や誘導によるものだとすると、そこに “意味(自分の意志)”はない ことになってしまいす。

 もちろん、他人のアドバイスを「自分のしたいこと」を見つけるきっかけとするのは決して悪いことではありません。それで、新たな気づきが得られることもあるでしょう。

 「定年バカ」にならないように、大事なことは、ひとつひとつの判断を “自責” にすることだと思います。



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