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敗因と (金子 達仁 他)

 私自身サッカーは大好きなので(とはいっても、今は到底プレーはできませんが、)ちょっと気になって手に取った本です。

 サッカー関係のルポでは定評のある金子達仁氏をはじめ、3名のライターによる2006年ドイツワールドカップ日本代表をテーマにしたノンフィクションです。

 ワールドカップでの一次予選敗退の原因を、のべ50人の選手・関係者をインタビューから解き起こそうとしたものですが、概ね一般的に流布している内容に止まっているいうのが第一印象です。むしろ、この話題に詳しい人たちにとっては、具体的な新情報があったのかもしれません。

 まあ、私のような「素人サッカーコメンテータ」から言わせていただければ、ドイツ大会の敗因は、ともかく「個々の選手の『力』がワールドクラスではなかった」という当たり前の点に尽きると思っています。

 もちろん、ここでいう「力」の定義が問題です。技術面、体力面、精神面、人格面・・・。
 少なくとも技術面・体力面は、セリエA、リーガ・エスパニョーラ、プレミアリーグ等で常時出場している選手たちのプレーを見るだけで、日本の選手のレベルがどの程度なのかはどんな人にも見当がつくはずです。
 精神面や人格面で、本書にあるような実態であったとするとワールドカップ本選出場以前のレベルであると言わざるを得ないでしょう。

 ただ、本書の内容だけで、個々の選手を云々するのはフェアではありません。
 本書は、「全世界50人に及ぶ選手・関係者を徹底取材」を売りにしているようですが、残念ながら、当の日本代表であった選手からの肉声のコメントは極くわずかでしかありません。


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