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妻のトリセツ (黒川 伊保子)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)

 黒川伊保子さんの “〇〇のトリセツ” シリーズ ですが、ちょっと気になっていたので、数か月前に「定年夫婦のトリセツ」を読んでいます。
 それなりに首肯できるところがあったので、遡る形で「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」を図書館で予約しておきました。一年近く経ってもまだ順番が回って来ないのですが、なんと「灯台下暗し」、ずっと前に家族が買っていたとのことで、さっそく借りて読んでみました。

 レビューをチェックしてみると、やはり“否定的”な意見もたくさんありますね。「なぜそこまで妻に合わせなくてはならないのか」とか「妻も考え方を変えるべきだ」といった主張です。

 もちろん、そういった意見も当然出るでしょうし、間違っているとは言い切れないところもあると思います。何かコンフリクトが生じた場合、(完全なアクシデントを除けば)当事者のどちらか一方に「100%の非がある」というケースは極めて稀でしょう。

 妻であろうと夫であろうと同じですが、まずは「違っていることを認識する」こと、そして「その違いを理解したうえで、言葉や態度をコントロールする」ことは、私は、相手と上手にコミュニケートするためには意味のある有益な姿勢だと思います。
 「孫子」謀攻篇の “知彼知己、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戰必殆。” ですね。
 ただ、これが実際の場に直面してみると、なかなかできないのです。

 さて、本書、冒頭にも書いた「定年夫婦のトリセツ」と同じく、黒川さんが本書で説明している「妻の態度・反応」については全くそのとおりと首肯するところがたくさんあるのですが、反面、それでは、そんなときどう振舞えばいいのかという「具体策」に関していえば、少なくとも我が家の場合は「採用できない案」が多かったですね。

 示されたアドバイスは、上辺だけでもいいので “喜ばせれば事足りる” といった感じがして、読み終わってもどうも気分がよくありませんでした。



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