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固定観念を裏切ればいい。

自由の先にあるオリジナリティ

それは、29歳で世界一と称賛されるレストラン「エル・ブリ」
(2002年と2006年から2009年に『世界ベストレストラン50』の第1位)に
入り、天才シェフと言われたフェラン・アドリアに師事した
永島健志さんの料理の流儀です
(先日の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』)。

永島健志さんは、その「エル・ブリ」で
他ならぬ「自由」というスタンスを学ぶ。
「なぜこうなんだ」「こんなやり方もできる」と
自由に発想を広げた先に、悟ったのがこの言葉なのだろう。
ついつい従ってしまいがちな固定観念を
あえて裏切る、という気持ちをもてるかどうかが
オリジナリティにつながる
、と言っているかのようだ。

自由だけで終わらない独創

永島さんが港区広尾に構える『81(エイティワン)』は、
まさに「調理や表現が独創的!」と評価を高めている。
例えば、ゆで卵のなかにトリュフのオイルを注射する技。
食べたときに生まれるのは、温度や香りや味覚が
重層的にとけ合って「3Dに奥行きが生まれた」あとの
「小さな爆発」。
こんな瞬間こそきっと、
意外性という名の至福なのだろう。

また、初鰹のスモークの後に飛び魚のスープを出した背景
空中を飛んで逃げる飛び魚を追うのが鰹、というストーリーを語る
エンタテインメント的要素も独創の一つか。
そんな料理の裏側にあるストーリーが
シェフの口から放たれたら、きっと料理の滋味に加わる
「知性」というスパイスに酔いしれることだろう。

驚きの後に感動がある」とは、一連のコースを
堪能した後の東京スカパラダイスオーケストラ
谷中敦さんの感想だが、
これに対して永島さんは、
「ジェットコースターでないと飽きられる」と一言。
確かにテーブルで料理と出合う瞬間は、
「こうきたか」と思うことが多い。
一度その“ジェットコースター”の驚きを体験してみたい。

いや、そんなことより、固定観念をあえて裏切る、という挑戦心。
まずこれを見習いたい、と思ったのである。


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