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確かに、私たちは洗練されたものとは程遠く、決して純粋ではない。 でも、私たちは完璧な共同体づくりに努めているわけではない。 私たちは、目的をもった共同体づくりに努めているのだ。

第46代アメリカ大統領、ジョー・バイデンの就任式で、
22歳の黒人の詩人、
アマンダ・ゴーマンさんが披露した
「The Hill We Climb(私たちが登る丘)」の一節を、
インターネットの全文和訳で全体をつかみつつ、
改めて訳しました。
「橋の言葉」など、さまざまな表現で絶賛された
彼女の詩において、
私は、このメッセージに打たれたのです。

And yes, we are far from polished, far from pristine,
but that doesn’t mean we are striving to form a union that is perfect.
We are striving to forge our union with purpose.

「私たち」がアメリカ国民を指すにしても、人類を指すにしても、
私たちは常に混乱のなかにあって、誇れる純粋さなどありません。
そして、何も民主主義が完璧などとも思っていない。
しかし、それでも何らかの共通の目的をもって、
共同体に属し、
その目的を目指して生きている、
いや生きられるべきです。

この詩というか最早、類まれなるスピーチは、
明らかにアメリカ社会の(そして恐らく多くの地球上の国々の)
「分断」を前提としているので、
この場合の目的を
「あらゆる人間の文化、肌の色、性格、状況に
責任をもつ国をつくるために」
To compose a country committed to all cultures, colors, characters, and conditions of man.
としていますが、

数えきれない問題を抱えた現在にあっても、
互いに他者を認め合う気持ちこそが、
その多くの問題を解決する力になることは間違いありません。

クリームイエローのスーツがとても似合っていた、
このチャーミングな女性が、
人間を超えた特別な存在に見え、
その溌溂とした声は、
この世の声ではない、
この世への大切なメッセージに感じられたのです。

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