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メグ・ジェイ『逆境に生きる子たち』

【幸福の感度は自己認識と社会認識の差で決まる。】

多くの人間は他者との関わりの中で周囲との距離感を学びます。そこで重要なのは自己評価(自分が自分をどう評価しているか)と社会評価(周りから自分がどう評価されているか)の2つでしょう。傷ついた人間はこの2つがうまく機能していないと思います。

私は両親が不仲で、家庭や異性というものに長らく不信感がありました。幼少期からずっとモヤモヤと感じるものはありましたが、それが傷だと認識できたのはつい最近のことです。旅行先での日本海の景色や友人と行った湖の畔、歴史の史跡、趣味の近代史の勉強で少しづつ回復できました。傷を傷として認識しなければ、回復も、こうして文章化することも出来なかったでしょう。

幼少期に受けた傷はそう簡単には回復しません。時間が経てばどんな子どもも大人になっていきます。もちろん、傷ついたこども達でも。親の離婚、虐待、いじめ、家族の病気や障害、逆境に生きる子たちが本の中で紹介されています。この本が傷ついた仲間達の回復への道しるべになることを願ってやみません。



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