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【読書】「文章作法事典」中村 明(著)

実用に役立つ総合的な文章作法をめざした一冊。
「書く」「練る」「磨く」といった文章作法の初級から最上級までの要点をそれぞれ簡潔にまとめ、事典ふうに仕立てている。

「ことばのにおいを嗅ぎ分ける」や「表現の奥に人のけはいを聴く」など、ことばの奥には、感じることでしか到達できない次元がたしかに存在する。

それを的確に捉えるには、しなやかな言語感覚を身につけるしかない。日ごろから豊かな表現にふれることで、ことばの格、響き、におい、イメージをはっきりと分別するだけの感覚を磨く。徹底し、人事を尽くせば、やがて自分のスタイルができあがるにちがいない。

ある確かな名文例を見つけ出し、それを分析して、原文にあるそれぞれの名詞や動詞の働きを調べ、構造を明らかにして、名表現の美的効果を考えることにはそれなりの意味がある。しかし、そこがうまく解明できたところで、その表現がなぜ実現できたかが明らかになるわけではない。

本文より

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