中島 大知

ライター|とある会社のマーケティング部に所属。Webメディアの記事作成・広告ライティン…

中島 大知

ライター|とある会社のマーケティング部に所属。Webメディアの記事作成・広告ライティングなどを担当しています。|元警察官

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  • 読んだ本について

    読んだ本についての感想を記録しています。

最近の記事

「レター教室」三島由紀夫著 を読んで

5人の登場人物がかわるがわる書く手紙で構成された、三島由紀夫の長編小説。千変万化な手紙がそのまま文例となり、手本ともなるというぐあいになっている。 ところどころに皮肉やユーモアが散りばめられており、思わずクスッとさせられる。登場人物でいうと、怠け者で楽天家の「丸トラ一」が好きだったかな。特に氷ママ子とのやり取りはホント笑える。 娯楽として読んでも十分楽しめる作品。

    • 「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ著 を読んで

      子どもの心を押しつぶす教育の「車輪」から逃れようとして、人生の苦難の渦に巻きこまれていく少年ハンス。 ひたむきな自然児ハンスは、周囲の期待に応えようと勉強にうちこみ、超難関とされる神学校の入学試験に2番の好成績で通る。だが、そこで始まった全寮制の生活は、どれも規則ずくめで、徐々にハンスの心を蝕んでいった。 子どもの心と生活とを自らの文学へと昇華させたヘルマン・ヘッセの代表的自伝小説。 わたしにもかつて、周囲の期待を生きた日々があった。それはつまり、期待を超えることでしか

      • 「マンガでわかる Webマーケティング」村上佳代 著 を読んで

        事業活動に必要なマーケティングの基本がわかる一冊。 マンガと解説がセットになっているので、マーケティング入門書として楽しみながら読み進められる(右脳と左脳を使いわけながら読むので、理解しやすい)。 個人的には、KPIの正しい策定方法やCVRを割り出すための母数の考え方など、参考になる内容が多かった。前提を誤ると、そのままPDCAが破綻してしまうのですぐにでも気をつけたい。 結局のところ、KPIが正しく立てられるかどうかがマーケターとしての根本であるように思えた。

        • 「デザインのミカタ」デザイン研究所 著 を読んで

          「Webマーケティングが学べる!タベリナチャンネル(※YouTube)」で紹介されていた、デザインの基本が身につく一冊。 とにかく読みやすい。 カラーの選び方やフォントの種類など、技術的な知識も必要だが、それを基に「なぜそうであるのか」とデザインの根拠について深く考える姿勢がより重要だということを知った。 単にオシャレであるとか、自分のやりたいように制作していくことが、よいデザインとは無関係なことも多い。もし担当を任されたなら、独りよがりにならないよう気をつけたいものだ

        「レター教室」三島由紀夫著 を読んで

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        • 読んだ本について
          124本

        記事

          「戦略的SEO思考」鈴木良治 著 を読んで

          一文が長く、また内容重複も見られるが、それを除けば一読の価値はある。ただ、本書はあくまでもSEO対策の入門書なので、技術的な知識を求める読者には向かないだろう。 SEO対策に携わると、やみくもに「集客」だけを追いがちになる。が、それだと物事の順序がそもそも違う。なぜなら、欲しいのはあくまでも「成果」であるのだから、そのための「集客」として戦略を立てるのが正しい順序といえる。どの企業においても、無駄なコストは避けたいはずだ。 著者の考えは一貫しており、読んでいて納得する(も

          「戦略的SEO思考」鈴木良治 著 を読んで

          「マーケティンング見るだけノート」平野敦士カール著 を読んで

          イラストだけでマーケティングの知識が身につく一冊。 マーケティングの基本から有名企業の戦略までを網羅しており、「マーケティングとはなにか」がおおよそつかめる。 すぐに実践できそうな具体的手法を学ぶことも大切だが、マーケティングの全体像を理解しておくことも、それと同じくらい価値のあることのように思う。

          「マーケティンング見るだけノート」平野敦士カール著 を読んで

          「メノン プラトン」を読んで

          プラトンの初期末の対話編。 「徳は、ひとに教えられるものか」というメノンの問いをきっかけに、ソクラテスとのあいだで「徳」についての考察がはじまる。 ソクラテスは、「徳は、教育によってひとに授けられるか」と問う前に、「徳とはそもそも何であるか」が考えられていなければならないと答える。物事の順序で考えれば、当然のことだろう。 ところが、メノンは「徳とは何か」についてうまく答えられない。いくつか定義を挙げてみるものの、「徳は一つしかないだろう」とソクラテスから反論を受けてしまう

          「メノン プラトン」を読んで

          「いちばんやさしい新しいSEOの教本」を読んで

          今から約10年前の本である。 ネットで最新版を買ったつもりだったのだが、古いものが届いてしまった。表紙に刻まれた「新しい」という文字が、しばらくほかの字よりも太く大きく見えた。思いこみとは、実に恐ろしいものだ。 本書はSEOの入門書にあたる。が、実用的な助言が細かく書かれており、実務経験がない人からすると、読み進めるのは難しいのではないかという気がした。 全体には一度目を通したので、今後はポイントを押さえながら内容を理解していこうと思う。

          「いちばんやさしい新しいSEOの教本」を読んで

          「10倍はかどるSEOの進め方 青木創平」を読んで

          普段は、SEOライティングの業務に携わっている。 自分の書いた記事がGoogle検索で上位に表示されるとやはりうれしい。が、そうでなければ、何かしら改善を求められる。 加筆・修正したからといって必ずしも順位が上がるわけではない。むしろ下がることだってある。経験があれば、どこが悪いかの見当がつく。もしそうでないなら、参考となる情報にふれて、自分の考えを固めていくしかない。 基礎が身についていないと、伸びしろは小さくなる。まずは基本的なことを何度も繰り返すようにして、意識に深

          「10倍はかどるSEOの進め方 青木創平」を読んで

          「文章作法事典 中村明」を読んで

          実用に役立つ総合的な文章作法をめざした一冊。 「書く」「練る」「磨く」といった文章作法の初級から最上級までの要点をそれぞれ簡潔にまとめ、事典ふうに仕立てている。 「ことばのにおいを嗅ぎ分ける」や「表現の奥に人のけはいを聴く」など、ことばの奥には、感じることでしか到達できない次元がたしかに存在する。 それを的確に捉えるには、しなやかな言語感覚を身につけるしかない。日ごろから豊かな表現にふれることで、ことばの格、響き、におい、イメージをはっきりと分別するだけの感覚を磨く。徹底

          「文章作法事典 中村明」を読んで

          「よるのばけもの 住野よる」を読んで

          住野よるの青春ファンタジー小説。 夜になると化け物になる中3の主人公・安達が、クラスのいじめられっ子・矢野との交流をとおして、自分のほんとうの気持ちに気づいていく。 なぜ安達が少しずつ変わっていったのかと考えると、学校でどんなに酷いいじめを受けても一貫して態度を変えない矢野という存在があったからだろう。 矢野という絶対的な軸を前にして、安達は、自分の心が揺れ動いていることを知る。(安達の想像力のはたらきだろうか。) 本作品を読みながら、中3の頃の自分を思い出した。私も安

          「よるのばけもの 住野よる」を読んで

          「沈黙のWebマーケティング」を読んで

          Webマーケティングの基本を学びたい人におすすめの一冊。 なかなか分厚い本だが、中身はマンガ仕立てなので、活字が苦手な人でも楽しみながら読み進められる。強いていうなら、わずかでも実務経験があった方が理解はより深まるだろう。 全体的に楽しく読ませていただいたが、レンタルサーバーの解説だけは複雑に思えた。そうそう、ネットワーク回線の強さの話だ。この辺りが詳しくなると、本書で語られるところの「Webマーケターとしてのメジャー感」が増すのではなかろうか。

          「沈黙のWebマーケティング」を読んで

          「Webライティング ふくだたみこ」を読んで

          Webメディアに特化した文章術について書かれた一冊。 なかでも、SEOと呼ばれる検索エンジンで上位表示するための考え方やテクニックが詳しく紹介されているので、Webライター初心者には特に役立つだろう。 個人的には、リスティング広告と比較した場合のSEOの強みやキーワード選定について改めて考えるよい機会になった。今後は、より専門的な内容を読みながら、自分の力をつけていきたい。

          「Webライティング ふくだたみこ」を読んで

          「あたりまえなことばかり 池田晶子」を読んで

          池田晶子の哲学エッセイ。 プラトンの著書を読んだ甲斐あってか、以前より内容がわかり始めている、ような気がしている。それでも考え足らずなところがほとんどだが。 普段から「わからないこと」を自覚するようになり、「わかるようになりたい」と思えるようになったのも、おそらくこの方の影響によるところが大きい。要するに、恥ずかしさが逆転した。 そういえば、もうすぐ池田さんの命日か。久々に会いに行こうかと思う。

          「あたりまえなことばかり 池田晶子」を読んで

          「細川ガラシャ夫人(上) 三浦綾子」を読んで

          明智光秀の三女として何不自由なく育てられた玉子。 十六になった時、織田信長の命令で細川忠興のもとに嫁ぐことになった。女性が政略の道具として使われていた時代に、玉子は真の人間らしい生き方を求めていく。その清らかにして悲劇の生涯を浮き彫りにした著者初の歴史小説。 気高く聡明で、戦国時代随一の美女と謳われた玉子。 元々利発な子であったようだが、それ以上に父母の成熟した人間性が目に留まる。地位が上がろうとも決して驕らず、目下の者にも気遣いを忘れない光秀と夫を支える妻煕子。これぞ夫婦

          「細川ガラシャ夫人(上) 三浦綾子」を読んで

          「男たちへ 塩野七生」を読んで

          塩野七生がすべての男性に贈るエッセイ集。 「インテリ男はなぜセクシーでないのか?」や「男の色気について」「男が上手に年をとるために」など、フツウの男がフツウでない男になるためのエッセンスがつまった男のバイブルである。 クラシック界のカリスマ・赤峰先生も仰られているが、生活にしろ服装にしろ、生きていくうえで「自分のスタイルを持つ」ことの大切さを改めて考えさせる一冊だった。 魅力というのは、加えるものではなく人生をつうじてにじみ出るものではなかろうか。そこに、フツウでない男の

          「男たちへ 塩野七生」を読んで