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ヨガをしていない時こそヨガ

5年ほど前。
ヨガの先生が、そのまた師匠から言われた言葉を教えてくれた。

「ヨガをしていない時こそ、ヨガです」

それを聞いて、私はこう思った。
「ヨガのポーズを取らずに、ヨガの効果を得ることはできないのでは?精神面でも、肉体面でも」

師匠の意図するところが分からず、その言葉が頭の片隅に引っかかっていた。

以前は、朝起きたら水を一杯飲んで、何か口にする前にヨガをすると決めていた。それができないと、ノルマを達成できていないような気がした。
6年近くのあいだ、旅行先も含めて、毎日実行していた。6年のうち、ヨガを欠かした日は、合計で10日もないと思う。

けれど、しばらく前から、ヨガを日課にするのをやめた。
ある日そう決めたのではなく、いつの間にかそうなった。
はじめは、体調の悪い日はヨガをしなくなった。
自分の中で何かが変わり始めていて、ヨガを義務と感じなくなったのだろう。

今は、体調だけでなく、気分次第でヨガをしたり、しなかったり。
筋トレも同じく、したりしなかったり。

それでも、私の身体はしっかりしていて、ゆるんで頼りない感じはしない。どろりと重くもないし、ふわふわと軽くもない。不足するものはない。急に太ったりはしないし、筋肉も落ちない。
それに、ヨガをしない日があっても、またヨガをしたくなる日も来るとわかった。

1日あたりの、ヨガのポーズをとっている平均時間を計算したら、以前より短いと思う。
でも、今はヨガをすることが前より一層好きだし、「日課をこなしている」という意識がなくなった。ヨガをしているときは、その時間を全身で味わっている。

ヨガをしている時間が長いほどヨガが深まるわけではないと感じる。

ヨガをしていない時こそ、ヨガ。
その意味が少しわかった気がする。



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