断片小説 炙った烏賊を下さい

「楽しすぎてさっき考えたセリフ忘れちゃった。ナウでモガでモボのヤングな台詞だったのよー」
「炙った烏賊を」
女は無口になった
20分後
「俺の背中の孔雀の話をこないだ聞いてたな。どうして鳥さん目がないの?って」
「マスター、炙った烏賊を!」
10分後
「本当の宙返り見たいでしょ♪いいよ。いまからやるよ。トリプルアクセルからの織田信…」
「炙った烏賊を」
15分後
「焼き鳥になっちゃったのかな。それとも、羽ばたいちゃうのが怖いのかな」
「もう、羽ばたいたんだよ。今は、居ないんだ。どこか遠くの国…異国のボリビアにいるよ」
「そっか…。海外は沖縄か北海道しか行けないって」
「梨のお酒です」
隣の隣の客たち「旨いわ~…って。酒遅!おかげで部下と会話盛り下がりそうになったわい。」
「マスター、炙った烏賊を持ち帰りで。タクシー呼んでありますんで。」
「ありがとうごさいます。」
カランコロン
店内にはぐっとくる演歌が閉店後まで響き渡った。焼き鯖が出たり、手羽先もだし巻き卵も出た。
「上野駅まで」
「トリプルアクセルやでー」

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