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@nutrepi 栄養疫学者@ケンブリッジ大学(疫学) ←ハーバード大学公衆衛生大学院…

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@nutrepi 栄養疫学者@ケンブリッジ大学(疫学) ←ハーバード大学公衆衛生大学院リサーチフェロー(疫学) ←タフツ大学博士課程(栄養疫学) ←コロンビア大学修士課程(栄養学) ←上智大学学士(理工系化学)

マガジン

  • ランニング関係

    備忘録も含めランニング関係のことを記すつもりです。トップ画像はUltra Trail Snowdoniaというウェールズでのレースの公式写真(著作権フリー)。50 km、100 km、161 km(100マイル)の枠があり筆者は100マイルを2023年完走。

  • 英国のことなど

    英国のことについて・・社会、文化、アカデミアなどなど?

  • 栄養学・栄養疫学・疫学の一端

    ざっくばらん

  • 業績・キャリアなど

最近の記事

Ultra Trail Snowdonia 100M

Index INTRODUCTIONText in English follows just after the next Japanese paragraph. この投稿は、標題のトレイルマラソンレースの自分の経験の紹介などです。英語で検索した人が捕まえてくれたらいいなと書いています。165 kmの山岳レースで注目度も高いのですが完走率が40%ほどでウェブ上の情報がレア。幸いにも私は完走できたのでその一人として記録をシェアしたいという意です。関心なかったら無視してくださ

    • Dragon's Back Race 3/3 ・・・各日の記録など(n=1)

      #ドラゴンズバックレース #ドラゴンズ・バック・レース #DragonsBackRace 標題は英国ウェールズでの全長380 kmを6日で踏破するステージ・レースです。概要、食事と水分摂取について前々回、前回に記事にしました。その記事と同様、このNoteも標題のレースの参加を検討しそうな方、ただ数日にわたるような長距離レースに好奇心のある方を想定しています。今回は書き残した事柄とも言える、宿泊と睡眠、各日の記録、イベントの運営について記載したいと思います。 トップ画像は完

      • Dragon's Back Race 2/3 ・・・食事・水の摂取 n=1

        標題は英国ウェールズでの全長380 kmを6日で踏破するステージ・レース*です。概要は前回の記事をご覧ください。前回と同様、標題のレースの参加を検討しそうな方、ただ長距離レースに好奇心のある方を想定しています。今回は6日間の食事・水分補給についてどんなものだったか記したいと思います(筆者の専門性もあり…)。 トップ画像は3日目全長70 kmのラスト7 km地点の山近く(Llyn Llygad Rheidol Reservoir を越えたあたり)。ゴール時には陽が沈みヘッドト

        • Dragon's Back Race 1/3 ・・・概要

          #ドラゴンズバックレース #ドラゴンズ・バック・レース #DragonsBackRace 標題は英国ウェールズのシンボルであるドラゴンのゴツゴツと尖った背中を連想させる稜線や山々をルートとする全長380 kmを6日で踏破するトレイルレースです。 https://www.dragonsbackrace.com イギリスのトレイルレース・ウルトラマラソン界*では非常に有名です。ですが日本語での情報が少ないのでNoteに記すことしました。このNoteはトレイルランニングに興じて

        Ultra Trail Snowdonia 100M

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        • ランニング関係
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        記事

          A Sunday small story.. ある日曜日の朝の出来事

          学術的ではないですがご容赦ください。日本語は英語の下。 At a yard saleA story in the Sunday morning… I went to a backyard market near my living place. There were many small secondhand items on sale there by small families. I normally do not expect anything attractiv

          A Sunday small story.. ある日曜日の朝の出来事

          P値に関する考察・・・アメリカ統計学会の声明を基に

          ピザ3枚あなたのお友達はこう言いました。 「この間、何回かピザを頼んだんだけど だいたい20分くらいで来るみたい」 (そんなすぐに来るものなの?) あなたはそう思いました。 そこで参考までに自宅で試してみることにしました。 3回オーダーしたところ、掛かった時間は 22分、33分、29分 でした。 つまり 平均=28.0 分 標準偏差(ばらつきの指標)=5.6 分 でした。 (たった3回だしこんな時間が掛かったのは偶然かも?) あなたはそう考え眠りにつきました。 そ

          P値に関する考察・・・アメリカ統計学会の声明を基に

          甘味料摂取とがんリスクとの関係に関する論文への懸念

          先日、WHOから一種の甘味料の摂取が悪性腫瘍発生(がんのリスク)と関係するかもしれないという主旨の発表がありました(註1)。その発表内容を支えるヒト研究のエビデンスは私の知る限り低質です。ヒト研究のうち、核となるものは次の論文ですが、これについて私は批判的な考察を抱いています。その内容をこのNoteでは紹介します。 Debras, C et al., Artificial sweeteners and cancer risk: Results from the NutriN

          甘味料摂取とがんリスクとの関係に関する論文への懸念

          論文執筆について思うこと ⑤・・・「科学論文の書き方の科学」 by Gopen et al.

          ここで紹介する内容は10年以上前にボストンにいた際に、ボストンの研究者向けに寄稿した文章を改編したものです。寄稿したものはメルマガのような形で5つほどあったように記憶していますが・・その1つが次の論文の紹介です。 George D. Gopen and Judith A. Swan, Science of Scientific Writing, American Scientisit, 1990;78(6) 550-558 (WebではBlogのように再掲載されています。原

          論文執筆について思うこと ⑤・・・「科学論文の書き方の科学」 by Gopen et al.

          有名論文に基づいた一般向け情報の様子 ・・ 断食・ファスティングを題材とした一例

          筆が進まないですが公開・・ New England Journal of Medicine(NEJM)という医学誌に報告された間欠的断食/絶食(Intermittent Fasting)について致命的と私が考えている問題点について以前、述べました(リンク)。多くの方が読んでくださったようで感謝しています。それとともにそうした情報に対する関心の高さに懸念を抱くばかりです。 その懸念とは、世の中にあるダイエットに関する情報について、やはり情報の質として納得できるものがほぼ無い

          有名論文に基づいた一般向け情報の様子 ・・ 断食・ファスティングを題材とした一例

          疫学の基本から注意してみる・・ビタミンDの急性呼吸器感染症に対する効果①

          COVID19の蔓延に対してビタミンDのサプリメントによる予防効果(あるいは治療効果)を期待してもいいのではないか・・という話があります。医学論文にも掲載されているように今のところ、その効果を期待させる強いエビデンスはありません。 このNoteはそれに関連しそうな疫学研究の補足の内容になります。簡単に述べると呼吸器感染症に対するビタミンDの予防効果はそもそもそんなに強くないよということです。 同トピックについて公の情報以下、国立健康・栄養研究所による発信です。 アメリカ

          疫学の基本から注意してみる・・ビタミンDの急性呼吸器感染症に対する効果①

          なぜNEJMを含む医学誌の”断食”、”絶食”、”ファスティング”に関する総説がダメなのかという話(intermittent fasting, 間欠的ファスティング)

          改訂1)ちょっと目次が上に来るように構成変えました。あと"てにをは"なども改善。(10:11 pm in UK, on 15 Apr 2021) 続きともいえる内容を更新しました(5月4日)。ここで紹介する論文を引用した際の情報発信の一例についてです。 先日、下に表示してあるようにTwitterで発言しました。New England Journal of Medicine(NEJM)は医学界でトップの学術誌です。それに掲載された論文は読むべき論文ではないと否定的な姿勢を見

          なぜNEJMを含む医学誌の”断食”、”絶食”、”ファスティング”に関する総説がダメなのかという話(intermittent fasting, 間欠的ファスティング)

          【臨床疫学】アダプティブ試験の実例・・ビタミンDのサプリメントによる転倒に対する予防効果は示されず

          太陽のビタミンと呼ばれるビタミンD。COVID19、コロナウイルスに対しても話題がつきません。ビタミンDについて様々な効果が仮説として検証されているのですが、特に骨格筋に対する効果は期待が大きいです。カルシウムの吸収を助ける働きがあり、欠乏すると「くる病」や骨粗しょう症といった病気の原因となることに由来しています。それに関連して、このNoteは次の研究に基づいた内容で記しました。 Appel et al., The Effects of Four Doses of Vita

          【臨床疫学】アダプティブ試験の実例・・ビタミンDのサプリメントによる転倒に対する予防効果は示されず

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・③

          先々週ほど、2つのNotesを投稿しました。研究者(の卵)のキャリアのポストに応募する際の、要件を満たしているか否か、それをどう表明したらよいかという考えを記させて頂きました。次の3点の最初の2点になります。 1. 応募要項をよく読んでその理解を示してほしい(Link) 2. 自身の欠けている点、克服したい点を書いてほしい(Link) 3. 私らがどういう研究をしているのか理解とその環境でどういう仕事をしたいのかを示してほしい そして今回は3点目に関するNoteです。ここ

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・③

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・②

          先日、「応募要項をよく読んでその理解を示してほしい」という期待を軸に、カバーレター(志願の意を表明する手紙)によくあるネガティブな印象を与え得る記載について述べました(Link)。今回、記したいのは、その先日の内容とも関係する次の三点の二点目です。 1. 応募要項をよく読んでその理解を示してほしい 2. 自身の欠けている点、克服したい点を書いてほしい 3. 私らがどういう研究をしているのか理解とその環境でどういう仕事をしたいのかを示してほしい 先日、書いた内容とはどちらか

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・②

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・①

          下書き・・Twitterへの投稿はちょっと研磨して後日・・になるかと。だだだっと書いたのみ(1月22日)。 ケンブリッジ大学の現在の研究職に就いて、これまで博士課程入学希望者、ポスドク希望者を選抜するプロセスに関わってきました(それ以前もそうした機会はありましたが)。やはり私が所属するのはケンブリッジ大学という名高い大学の研究組織であり、「栄養疫学」という多くの人が関わり得る領域(註1)であるからか、世界各国からバラエティに富んだ多くの希望者が応募してきます。 註1)栄養

          博士課程、博士研究員(”ポスドク”)ポストへの出願について・・①

          "振り込め詐欺"の国際化と手口の一例

          自分に詐欺の電話が掛かってきて、30分前後、話を伺ったので記すことにしました。某SNSに投稿したものの改編版。 詐欺のような電話等に対して、多くの人が怪しければ一切、応じないというようにアクションを採ることができるかもしれませんが、そうでない方もおいでと思います。そして(英語圏で)生活する上での予備知識として適しているかなと思っています。少しでもお役に立てばと思っています。 よくNoteの仕組みが解りませんが・・タグをつけて流行りのテーマに乗る仕組みがあるようで、 #いま

          "振り込め詐欺"の国際化と手口の一例