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Dragon's Back Race 1/3 ・・・概要

#ドラゴンズバックレース #ドラゴンズ・バック・レース #DragonsBackRace

標題は英国ウェールズのシンボルであるドラゴンのゴツゴツと尖った背中を連想させる稜線や山々をルートとする全長380 kmを6日で踏破するトレイルレースです。
https://www.dragonsbackrace.com

イギリスのトレイルレース・ウルトラマラソン界*では非常に有名です。ですが日本語での情報が少ないのでNoteに記すことしました。このNoteはトレイルランニングに興じていてレース参加に興味を持った方、そしてトレイルランニングのことなど何も知らない方への情報提供を狙いとしています。トップの画像は初日の山場(文字通り)Crib Gochという岩山(標高923 m)を行く様子(筆者本人)です。

* ウルトラマラソンとは、マラソンの距離(42.2 km)よりも長いランニングレースの総称。

こういうものがあると興味を持ってもらえれば幸いです。もしも参加したいという方、必携品を英国にて貸すことも可能ですのでご興味があればご連絡ください。特に預けるバッグが指定されておりそれだけでも1万円以上するので。

日本人の参加者は2019年に1人が出走し完走、2017年に5人が出走して1人が完走したようです。2019年までは5日間のレース、現在は6日間のレースとなっています。著者のレース記録はSTRAVAにもありますのでそちらをご覧ください。https://www.strava.com/activities/9791105020


イベントの様子

メディアチームもイベントに帯同して多くの発信をしています。その様子などご覧ください。
公式の動画集:https://www.youtube.com/@dragonsbackrace
2023年の6日間のハイライト:
1日目: https://www.youtube.com/watch?v=0pTYM8qu2wE  
2日目: https://www.youtube.com/watch?v=033CQyTaOao  
3日目: https://www.youtube.com/watch?v=ZsZknuBXtqg  
4日目: https://www.youtube.com/watch?v=PaDXSIbvfeo  
5日目: https://www.youtube.com/watch?v=5zygNgDVtFU  
6日目: https://www.youtube.com/watch?v=pJv52_CHUz0  

イベント概要

■ 企画・スポンサー:Ourea Eventsによる企画。
メインスポンサーはMontaneという登山、トレイルランやスキー関係のアパレルに強い企業。
https://www.oureaevents.com/
https://montane.com/

■ 全長:380 km
英国ウェールズの北部のConwy城から南のCardiff城まで。

■ 6日間のステージレース
各日に進む距離が固定されている。
つまり1日平均63.6 km進む。
(2019年までは5日間320 kmほど。)

■ 獲得標高(登りの総計):17,400 m
1日平均2,900 m登る。
ウェールズでもっとも高い山は1,085 m。
つまり登ったり下ったりを繰り返す。
参考:富士山の標高は3,776 m。

例として5日目のコースプロファイルを添付します(図1)。後述する2つの給水所にも印をつけました。

5日目のルート・標高のプロファイル(73 km・獲得標高3,300 m)
矢印の1つ目はドロップバッグにアクセスできる給水所(41 km地点)、
矢印の2つ目は給水のみの給水所。筆者は15時間で完走

■ 参加者数・完走者数:
毎年300人ほど。
完走者はその30%ほど。
筆者は2022年2日目にリタイア、
2023年に完走(87人中51位)。

■ 開催日:
毎年9月第1週の月曜日~土曜日。
(以前は5月開催だった様子)

■ 参加費用:£1,700~1,800
各年の9月末までなら£1,700(¥314,500)
各年の10月以降なら£1,800(¥333,000)
(£1=¥185 と計算)

■ 各日の制限時間:16時間
午前6時から午後10時まで。
天候などの条件によっては運営による変更もあり(例:猛暑)。
初日を除きスタートは午前6時~9時までの間ならいつでもよい。
しかしチェックポイントごとに制限時間がありそれに間に合わなければならない。

■ 5泊はテント。
6人用のテントが設営され、各テントに4人のランナーが割り振られる。

設営されたテント

■ 食事:
・朝食、夕食はテント施設とともに
ビュッフェスタイルで提供される。
・ランニング中の補給食は各自が用意。
各日のルートにてコンビニなどの購入場所があれば購入可。

■ 給水所:各日に2箇所
・一箇所は預けた荷物にアクセスできる(次項)。
企画側からの提供は水のみ。
・もう一箇所は休憩施設、水の提供のみ。


食事が振舞われたり、食事を摂るテント

■ 預けられる荷物:3つ
① 旅行バッグ・・レースの開始時に預け、終了後(6日目)に返却。
つまりレース会場への移動前後の着替えや雑品のみ。
② 小容量のレース中にアクセスできるバッグ。
Ortlieb 10L PD350 という10L容量のバッグが指定される。
パッキングの上限は2.5 kgまで。
つまり各日のスタート前に預け、レース中に1度アクセスでき、各日のゴール後に受け取ることができる。
③ 大容量のテント泊時のみにアクセスできるバッグ。
Ortlieb 59L PS490という59L容量のバッグが指定される。
パッキングの上限は15 kgまで。
つまり各日のスタート前に預け、各日のゴール後に受け取ることができる。

■ レース中、テント外泊時にアクセスできる2つのバッグの扱い:
・15 kgまでの物品が許されるバッグに全6日分の補給食(朝食・夕食は提供されるので昼食やおやつに相当)や着替え、そして寝袋などを入れておく。
・2.5 kgまでの物品が許されるバッグに、レース前の朝に補給食・スポーツドリンクの粉、替えのシャツやソックスなど入れて預ける。

必携品(持参するもの)

・上記の10L容量、59L容量のバッグ

テント外泊中になくてはならないもの:
・靴擦れを治療するキットを含む基本的な医薬品
・食器・スプーン・コップ(企画側からは提供されない)
以下、ランニング中に所持しなくてはならないもの(2023年11月時点での情報)
・防水性の高いジャケット(規格アリ・ジッパーはテーピング加工・フード付き)
・防水性の高いズボン(ジッパーはテーピング加工)
・300 g以上の化学繊維素材のジャケット(長袖の防寒用)
・長袖の防寒用シャツ
・帽子
・手袋2ペア
・トレイルラン用のシューズ
・ランニング用のバックパック
・ヘッドライト
・補給食
・総容量1.5 リットル以上のボトルなどの補水のための容器
・キャッシュカードかクレジットカード、および現金
・コンパス
・緊急時の寝袋
・ホイッスル
・携帯電話

次の2品は提供され、レース中所持しなくてはいけません。
・防水加工が施された地図
・位置を確認できるGPSトラッカー

以上の品々を工夫してパッキングすることになるのですが、恰好が冒頭の画像のようになります。バッグはULTIMATE DIRECTIONのもの、そしてウエストのベルトはCOMPRESSPORTのものです。
https://ultimatedirection.com/
https://www.compressport.com/

2023年結果

公式の結果はこちらです。
https://results.opentracking.co.uk/event/dragonsbackrace2023
6日の距離、獲得標高は次のとおりです。
1日目 - 49 km, 3800 m
2日目 - 59 km, 3400 m
3日目 - 70 km, 3400 m
4日目 - 69 km, 2300 m
5日目 - 70 km, 3200 m
6日目 - 63 km, 1300 m

2023年の優勝者はHugh Chatfield氏。
6日それぞれの記録は次のとおりです。
07:49:29
08:03:02
08:36:46
07:37:05
09:03:56
06:28:26
トータルで47時間38分の記録でした。

筆者(51位)は次のとおりです。
13:14:46
12:39:47
13:48:20
12:02:49
14:17:33
11:33:11
トータルで77時間36分の記録でした。

最後尾であった完走者(87位)の記録は次のとおりです。
15:27:46
15:13:06
15:20:26
14:29:32
15:45:45
13:02:40
トータルで89時間19分でした。上記のように一日の制限時間は16時間なのでけっこう時間を気にしながらの方だったと思います。

優勝したChatfield氏の10 kmやハーフマラソンの記録は37分、82分とのこと(フルマラソンの記録は確認できず)。筆者はそれぞれ38分、84分の記録を持っています。ですので優勝者は度肝を抜くほど速く走れる方ではありません。しかし山を登る脚力、山を下る技術、沼地や凸凹の道を進む安定性、そしてスタミナが抜群だったのだと思います。そういった総合力が結果に出たのでしょう。

次は補給食等について触れたいと思います。次の写真は完走後にレストランで摂った赤ワイン+完走者に授与された文鎮?


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