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筍の季節

鎌倉は筍掘りのシーズンです。

筍は鮮度が大切。九州や京都のものは、関東に来るまでに何センチも伸びてしまい、その分えぐみが出てしまうのです。

鎌倉の地物の筍は、その日のうちに手に入りますから、その日のうちに下処理します。先日は、自ら掘って(筍を発見して、子供に「ここ掘れワンワン」と言って掘らせた、というのが正確ですが)、茹でて食べました。

筍の先端を斜めに切り落とし、十字に切り込みを入れて下茹でします。大抵は米糠と一緒に茹でます。今は、自宅で精米する家はあまり多くはないでしょうから、八百屋さんなどで貰ってくるのでしょうか。

建長寺のお坊さんに教わったのは、梅干しと茹でる方法。このやり方だと、3日たっても、筍の中に白い点々が出てこないのです。(そのあとは、少し出ますが)えぐみもなくなるし、お勧めですよ。

私は、弁当につめる梅干しの種を抜きます。抜いた種を取っておいて、こういう時に使います。梅干し本体の代わりに、種の部分を何個かで代用するわけです。

筍掘りに行くと、皮を全部向いて持ち帰る人がいます。筍の皮はがさばるので、捨ててしまいたい気持ちもわかります。が、一番柔らかくて美味しい部分を捨てています。

姫皮と言う部分があるのです。筍の本体に近い皮の部分で、剥いた時、下から2cmくらいのところです。これを梅肉和えにしたり、酢味噌と和えたり、若竹汁を作ると、柔らかくて、くせがなくて美味しいのです。

筍を自分で茹でた人へのご褒美だと思っています。掘り立ての筍ならではの楽しみですね。

イタリア料理に使うアーティチョークも、レストランで使うのは、花のがくの部分だけですが、家庭では茹でた葉を、歯でしごくようにして食べるのだそうです。家庭では、ちょっとお行儀が悪くても、見た目がいまいちでも、美味しい方が優先ですから。

筍とアーティチョーク、全く似ていないのですが、共通点があったのですね。

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