【感想】輪るピングドラム(※ネタバレあり)

輪るピングドラム』のあらすじ

高倉家は、親がおらず、血の繋がらない子供3人、冠葉(カンバ)、昌馬(ショウマ)、陽鞠(ヒマリ)が暮らす。妹の陽鞠は余命が短い。
ある日、家族の思い出の水族館を訪れた際、陽鞠は倒れ、瀕死状態になる。しかし、昌馬からプレゼントされたペンギン帽子を被せると、陽鞠は何かに憑依され、「"ピングドラム"を使えば、陽鞠の命は救われる」と言う。
そして、冠葉、昌馬の兄弟はピングドラムを探すため奔走することになる。

奔走する中で、ピングドラムは運命を乗り換えることができる道具だと判明する。それをかつて使っていたのは荻野目桃果(オギノメ モモカ)。現在の所有者は妹の荻野目苹果(オギノメ リンゴ)である。
そして、ピングドラムを巡る争奪戦が始まる。愛する人を救う為、愛する人を取り戻す為にピングドラムを欲する人々。ピングドラムは誰の手に渡るのか。誰が、誰を、救えるのか。

感想

一番好きなアニメです。

ストーリー、キャラクター、音楽、演出、作画、全てが綿密に計算されています。

音楽

OPのやくしまるえつこさんも物語に合っていて最高ですし、EDのARBの曲を、アニメ内のアイドル、トリプルHがカバーしているのも良いです。EDに至っては、ストーリーに合わせて数曲あります。なんと豪華なんでしょう。

演出

イクニワールド全開で、癖がありますが、観れば観るほどイリュージョン時のワクワク感が高まります。
この作画は神ですね。どれほど工数かかっているのか…。

ストーリー

初めて観るときは、始めの数話がタルく感じるかと思います。展開が遅いし、苹果ちゃんの脳内ワールドの演出はかなり癖が強いです。
ただ、そのタルさ、キャラの深掘りがあるからこそ、2クール目の怒濤の展開に涙せずにはいられません。
緩急があるアニメは大体神作です。緩い前半を作れる予算枠があるということでしょうし、キャラの設定が視聴者に理解されやすいかと思います。

ラストは、主人公たちに残された道の中では、ハッピーエンドだと思います。 
陽鞠は彼等が存在しない世界へ乗り換えた事で、命を救われましたし、冠葉、昌馬は罪、罪の意識から漸く解放されることができました。ただ、視聴者は涙なしでは観れません。
陽鞠が、記憶にない愛の記憶から涙するシーンは特に…。

愛に溢れた物語、語りきれませんが、観て損することは絶対にないので、ぜひ、観てみてください。