見出し画像

「エイリアン秘宝街」菊地秀行

前回に引き続き、菊地秀行のジュブナイル小説。
こちらは吸血鬼ハンターシリーズよりも先に始まっているシリーズ。

もちろん!!本作も中二病満載なのだ。
絶対中二男子は、この主人公みたいな立場に自分がなったことを想像したことがあるはず。

本作はトレジャーハンターという、宝探し稼業を営んでいる八頭大(やがしらだい)という高校生が主人公。
八頭家は代々宝探しを営んでいた家系、集めに集めた財宝はたくさん。
両親を亡くしているが、代々持つ財産とそれによって得た権力、そして幼い時からの過酷な訓練による身体能力で、一人宝探しを続けている。

この設定がすでに楽しいのだが、菊地秀行テイストが入ることで独自な世界観があらわれる。
例えば、主人公は総理大臣や米国大統領と「よう!!元気!!」って語り合える中だったり、八頭家が代々集めてきた宝が呪いのものとか、いわくつきのものばっかりだったり。
資本力を駆使して作った秘密道具とか、訓練によって得た常人ばなれしたスキルの描写とかがすごい面白いのだ。

あらすじはこんな感じ。
相変わらず冒険の毎日を過ごしている高校生トレジャーハンター八頭大。
彼のもとに女子高生がころがりこんでくる。
この女子高生、八頭が認めているベテラントレジャーハンターの孫娘、危機に瀕した、ベテラントレジャーハンターが八頭に託したのだ。
彼が追っていた財宝が、タイトル通りエイリアンがらみの危険なもので、エイリアンからも各国の組織からも狙われているというもの。
孫娘は情報を知っているはず、と狙われている。

彼女を守りながら、米軍やらなんやらいろいろな組織とアクションを繰り広げながら、財宝の真実に迫っていくという超絶冒険小説なのだ。

また、この孫娘のゆきちゃんがキャラ立っていて、、
世の中天才はいろいろいるけど、ゆきちゃんは女の色気の天才なのだ。
色気を使って、大騒動を巻き起こす、それも故意に。
恐ろしい女子高生。
主人公はこのゆきという色気魔人に悩まされることにもなる。

この二人、以降エイリアンシリーズとしてずっと二人で主役をはる名コンビになるのだ。

シリーズ作、各作毎回いろんなテイストいろんな趣向で物語が進むので、本当に飽きさせない。
吸血鬼ハンターの方が評価されている気もするが、こっちももっと評価されていいシリーズだと思う。

https://amzn.to/2YSbxdq

新装版!?

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?