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Vol.2_Interview : Dai Naruse / Leather Craftsman

前回の「Vol.1_Interview : Dai Naruse / Leather Craftsman」に続き、objcts.ioが製品のサンプル製作を依頼している職人・成瀬さんへのインタビューを、本記事と合わせて全2回でお送りします。

今回は、デザイナー・角森とともに、objcts.ioがブランドとして生産段階で重要視しているポイントについて語っていただきました。


objcts.ioのサンプル製作と、サンプル職人 成瀬氏


サンプル製作とは、バッグや小物などを生産するにあたって必要になる製品の「見本」のことで、デザインの設計図を型におこし、1からプロダクトを組みあげるプロセスです。
つまり、それまでは紙の上でのみ進んでいた製品開発が、初めて実物として再現される瞬間となります。

成瀬氏は、若手ながら200本を超えるサンプル製作をこなしてきた、実力と経験を備える職人。生産を請け負う側と依頼する側で視点が違うことから生じるギャップなど、身を以て経験したからこそ思うことがありました。

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製品サンプルが、デザインを翻訳する。

成瀬 : 前から感じていたことで自分が生産を請け負うメーカー側になってより強く思うことがあるのですが、ブランド側が作ったサンプルをメーカーに流すのと、実際に生産を担当するメーカーが作ったサンプルを流すのとでは、同じ生産でも全然作業の内容が違ってきますよね。

一見ブランド側がサンプル製作も請け負ったほうが良いものが作れるかと思いきや、そうではなくて。サンプルの製作者によって細かい手加減が全然違っちゃったりするので、それに生産側が完全に合わせなきゃいけないとなるとハードルがグッと上がってしまうんですよね。

だから、自社で既に作り上げたサンプルを持ちこんでメーカーに量産を依頼するのって、実際に製作を担当する立場からするとかなり不安ですよね。

角森 : それはあるよね。職人からしたら作り方についてやり取りが出来ないと効率よく作れない。生産数のことを考えたら、現実問題としてひとつひとつの製品に対して無駄な時間を割くわけにもいかなくなるもんね。

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成瀬 : 1点ものやアート作品を作るなら話は別ですが、量産となるとそれはなかなか厳しいですね。やはり、限られたリソースでバランスよくものづくりをするには、職人さんの中でも手を掛ける箇所についてそれぞれペース配分しないといけないですし。

角森 : そうそう。ブランドとしては、クオリティを担保しつつきちんと商品を量産してお客様にお届けする、というのを優先すべきだと僕は思ってて。
一個だけ良いものを作る、ではダメじゃないですか。お客さんに届く商品はたくさん作った製品の中のひとつなので、生産の時のこともしっかり考えられてないといけない。サンプル製品を起点として、そこから品質の高さを保ちつつ量産していくために、まずは無理のない生産ラインを構築することが大事なことなので。

だから、サンプルを生産側のメーカーに持ち込む場合は「翻訳」する人が必要なんですよね。品質と作りやすさのバランスを、ベストな状態になるようコントロールする人。

成瀬 : 大事ですね。生産するときに作りにくいってことは、品質がすごく不安定になってしまう事態に直結しますし。生産側に無茶をお願いすると、作業そのものや工数にひずみを起こしてしまって、結果的に作ったものに悪影響が及んでしまう。

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「品質をデザインする」
プロダクトデザイン

角森 : 僕も元々作り手の立場だったのでよくわかるけど、ストレスを抱えていたりイライラしたりすると、絶対に良いものができないんだよね。でも、一般的に生産管理を担当する人は製造出身者ではないのでそういう事情もわかりにくいし、サンプルを持っていって「この通り作ってくれ」って言うしかない、という側面もある。

一方で、僕自身がかなり強みだと思うのは、最終的に強度や見た目・仕様・品質などが変に落ちていたりしなければ、製作途中の工程で多少作り方を変えてくれても全然OKと言えるところです。そこの部分の良し悪しは判断できるので。

この部分に関しては、製造を経験してきたデザイナーである僕がちゃんと考えるべきことだと思っています。

成瀬 : 致命的なところさえ落ちなければ、職人自身がやりやすい方法で進めることもできますしね。それによって作りやすくなったり、不良品が出にくくもなりますよね。

角森 : そうそう。だから、そういう意味で楽をするというか、効率的にやってもらうのは全然ウェルカム。むしろ「こういう作り方のほうが良かったですよ」って提案してもらったら、説明を聞けばそこの理解もできるし。いいなと思ったら成瀬くん以外のメーカーさんにもそのやり方でお願いして、作業工程を平準化していく、ということは実際にやっています。前職時代に、ブランドとしてものを作って利益を出していくことの大変さをしっかり学んだからこその工夫だね。

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成瀬 : 何のために生産しているかって、お客様の手元に届けるためですもんね。すこしの工夫で、発注側も受ける側も気持ちよく仕事ができて、結果的に良いものを作ることができればお互いハッピーですし。

角森 : 僕はもう、objcts.ioの製品を作る時にはそこまで考えて作ってる。改めてになるけど、自分がデザイナーの立場をやっている以上、そこまでデザインすることが必要だなと思ってます。大枠で言うと、品質そのものをデザインするというか。

さっきも話に出たけど、メーカーさんが気持ちよく作ってくれるのって、本当に品質の安定につながるもんね。

成瀬 : その通りですね、絶対に作ったものに現れちゃうんですよね…。

角森 : 成瀬くんを大事にしていかないとね、我々は…。

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時代の流れを汲んだものづくり

角森 : 僕と成瀬くんって、洋服とか趣味とか好きなものが似ているわけではないんだけど、同じ年代だからこそ分かり合える部分というのはあるなと思ってて。objcts.ioの製品ってデバイスを収納する部分にこだわっているから、やっぱり普段からデジタルに対して理解のある人に作ってもらえているのは大きい。

たとえば、PC用のポケットをひとつ作るにしても、ただPCが入るサイズのポケットがあればいい訳ではないので。成瀬くんとかは「PCポケットとしてきちんと機能させるには、この芯材じゃダメだよな」という部分まで考えてくれるから、すごく助かってます。

かつ、それをある程度まえもって汲み取ったうえで作ってくれている部分もあるから、objcts.ioの製品のようなものを生産するとなると、かなりありがたい。

成瀬 : それは確かにありますよね。時代背景を考えなくていいものはまた別かもしれないですけど、objcts.ioはまさに時代の流れを汲んだものづくりが必要なブランドですよね。それを一から説明しなきゃならない相手だと、なかなか大変そうです。僕自身もMacやiPhoneぐらいは自分でも当たり前に使ってますし、その辺りはすこし理解があるかもしれません。

角森 : 同じ時代を同じ世代として見ている職人仲間に生産を請け負ってもらえるのは、デザイナーとしてとても心強いです。objcts.ioはまだまだこれから新型が増えていくと思うので、これからもお互い気持ちよく仕事ができるよう、よろしくお願いします!

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