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アジアの純真が受けたアジアの理不尽。


アジアカップ、イラク戦。

なんかいいな。さすがイラク。

30年前のドーハと変わらぬ

あのイメージが勝手に湧いてしまった。


痛がる転がる時間稼ぐそのスタンス。

イランもイラクもそう、中東の国は

同じように「バレずに時計を進める」

特殊能力を持っているんだなと。


こういうヒリヒリひっさびさ。

焦らし、欺き、駆け引き。

こういうテクニカルじゃない

泥臭い感じのサッカー展開が。

実は、最高に面白いけどな笑


相手のプレイがズルいと感じ

相手のズルいことが許せぬ。

いまも昔も日本もまた、変わらない。

そういう面は成長しないもんです。


それでも実直に正面から向かい

わかってても愚直に繰り返して

打開策なく時間だけが過ぎていく。

そしてそれに屈するのも同じ。


これですよ、アジアの純真が

アジアの理不尽に屈する。


日本のピュアで丁寧な足仕事。

磨きに磨き上げ、職人気質が

まさにここに極まれり、ってか。


時と場合によっては称賛されるが。

1ミリでも残せば結果に賞賛。

だが相手はそうはさせぬと動く。


でもこういう相手に屈するのも

サッカーはよくあるよなと思う。


サッカーで技術や戦術を駆使する

だけではどうしようもない流れや

熱を生んで選手がノッていく。

観客もノッて後押し、その興奮。


前半はもう楽しくて仕方なかった。

これぞイラク、これぞ中東ど真ん中。

さぁどうするよ?日本の選手よと。


ここまで前半を観て書いたが

ここからは後半終わっての感想。


イラクには守りのリズムができてた。

これが一番手強かったのではないか。


守備をしてうまくできているほうが

リズムができやすいんですよね。

うまく集中が続き、その集中力ゆえに

的確で鋭いカウンター攻撃につながる。


10のうち9攻められ守備に

追われていてもリズムができて

1でも攻撃で効果的なプレイが

できたら、やっぱ踏ん張れるから。


好循環を生んでメンタル面でも

徐々にだが、自信を深めていく。

来いよ、跳ね返してやるよと。


日本がリズムよく攻め込むことで

逆に守備のリズムもできていく。

そして効果的な鋭いカウンター。


守りのリズムができてしまうと

その流れを崩すのが難しいと感じた。

PK取り消しや中東の笛なども、別に

日本側としては感じたがよくある話。


何よりも、アウェイ全開スタジアム。

やられたと同時になんかこういう負けを

最近、日本は経験していなかったから。


改めて所属クラブやリーグのレベルや格

実績に拠り所を見出しがちな日本全体に

いい鉄槌を下したのではないだろうか笑


単純にあーしたらこーしたらという

技術や戦術の話が日本人は大好きで

すぐにそっちに向かってしまう悪癖。


自分のプレーを出せたら勝てるとか。

そんな簡単にできるもんじゃないと

みんなわかってるはずなんですけどね。


アジアではヘンな自信とプライドが

ジャマをして、時に鼻をへし折られる。


メディアの一報やコメントを見ても

いつも通りの技術戦術の視点ばかり。

たら、れば。こうしてたらとかね。

いつも通りの日本人のど真ん中だった。


相手イラクは試合をトータルで考え

前半でリードを奪い、理想的に折り返す。

リアルタイムで意識を更新している。


戦術的にどうしたら得点ができて

逆転できたかという仮定の話は飽きた。


それができたから勝てたかどうかなど

実際なってみないと誰もわからぬこと。


引き出しを常にストックしてできて

必要なときにすぐ、寸分違わずできるなら

それは人間ではなく、ゲームの中の選手。

単なる数値化されたアプリ内の選手だ。


こうすればとか、こうしなければならない

みたいに、計画的に進めることだけでは

相手には勝てないんだろうと予測がつく。


そこを超えたところの運不運や気持ち

アクシデントや流れを味方につけること。

その波を感じながら試合を展開しつつ

コーディネイトするというかね。


試合が進んでいる、いまちょっとキツイ。

ちょっと疲れた、相手のリズムだなとか。


試合をしているなかで、観ている

私たちでもなんとなく

気づくことがたくさんある。


技術や戦術以外の、なんか簡単には

説明がつきづらいぼんやりと感じる

大きな試合の流れみたいな。


これをイラクの選手は少なくとも

日本より狡猾に感じ取って

優位に進めることに長けていた

普段から備わってるなと。


その国のサッカー観、国民性とか

いろんな影響があるとは思うが

日本人よりは、確実に長けている。


日本人も欧州でプレーするのが

当たり前になってはきたが

そのへんを日本人のみでやれるか

ってところはまだなんだろうなと。


いや日本人の性格上難しいか。

清廉潔白な日本人の理想から

かけ離れたリアリストの所業。


強いフィジカル、体の使い方

ダーティーなプレイを織り交ぜ

時間を稼ぐ知恵とそれをためらわず

体現できる意思の強さ。さすが。


負けるべくして、負けるとは

こういう時に使うのかもしれない。


やれることやって負けたではなく

やれることやれず、相手の術中に

ハマってまんまとしてやられたとき。


こういうことをわかっていながら

明快な答えの糸口さえ見つけられず

30年以上も変わらぬ狡猾さの前に

敗れたことに互いの国の伝統を感じた。


だがこういう大会前半での負けは

大会全体のピークに合わせて

チーム全体が一丸となるには

持ってこいの展開ですからね。


最初調子悪く結果出せない

パフォーマンス低調な国が逆に

気づいたら大会後半にピークつくり

見事に大会を制する、なんてことも

よくある話なんですから。


白のパンダを10並べたけども

ピュアなハートがドーハでまた

久しぶりに弾き返された。


黒いパンダがひとつ、ついただけ。

これからどんなパンダを並べるか

大会はまだこれからである。

ハイ、うまくまとめました〜笑








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