病は自分の一部。
こちらは日々の暮らしのいろんなことの記録です。

夫の健康保険からの婦人科健診を初めて申し込んで数か月。
手術後は頻繁にいろんな検査をしていたので、普通の健康診断は何年ぶりだろう。

夫にも強く勧められて申し込んではみたものの、ずっと緊張。
血圧計るの怖い病だし、実際血圧上がっちゃうし。
血圧高かったら、バリウムとかもキャンセルだろうなあ。
採血も、なかなかうまくいかないであろうし。
いつもごめんなさいと思っている。採れにくくて。
針を刺したまま、パニックを起こした看護師さんに放置されたことがあるけど、結果なんとか採っていただければ。
久しぶりに視力を計れるのもいいな、でも老眼はわからないんだよな、きっと。

さまざまなことを考え、どうにか前向きにがんばってこ、と行った結果、ダメージを受けて帰ってきた。

帰り道にちょっとお茶でもしちゃおうかな、寄り道しちゃおうかな、とご褒美方式でモチベーションを上げていたはずなのに、何にもする気がしない。
いつもはいかない種類豊富なパン屋でなんの冒険もせずに、ちょっとヘルシー系のパンと娘の朝食分のみを買った。

案の定、血圧は高く内科の受診を勧められ、バリウムはキャンセル。
そこに至るまでに何に一番やられたかと言えば、自分がその健診の最後の枠の人間だったことがすぐわかったから。
ちょっとしたやりとりで、そういうことか、と気づいたのだけど。
気づいて順路をめぐりながら、私が後にするブース、身長体重、とか視力、とか、次のブースに案内された直後から撤収作業が始まっていくこと。
気まずい、非常に気まずい。

私の前数人がまだいて、私がブース外で待機している間、これまで一瞬世話になった方々が片付けと今日のねぎらい、まったくその場に関係のない私語を始める。もちろんひそひそ目、だけど。
自分が若かりし頃に飲食店で働いていた時、閉店前の閉店作業をお客様がいる前でやるのは、ある圧でもあったし、私じゃなくたって、ラストの人はいるんだろうけど。

そして順当に血圧が上がり、その健診チームの仕事を増やしたのか減らしたのか、バリウムはキャンセル、レントゲン系の車の方たちは、具体的には書かないけど、心がどんどんしぼんでしまった。

動悸はする、血圧高い時の、高い感じがする中でとぼとぼ、パン屋に寄りつつ家路につき、なぜか洗濯物とふかふかタオルをしっかりたたみ、部屋干ししている掛布団をもどしベッドメイクをして、お風呂をセットして、ソファにだらっとした。

夫は出張で夜はいないけど、娘のご飯はつくる予定。
なんだか心も体も疲れたか、ご飯をつくれるかどうかと一時間ほどごろごとして、うどんのつけ汁を作った。

簡単なものですまそう、と思ったけれど、そう、人の、人の対し方でここまでダメージを受けてしまう私は、今日は野菜たっぷりのやさしい食事がしたいし、食べてもらいたいと思って、私はその汁、スープだけを食べて、娘にはうどんをゆでた。

健康診断うんぬん、ではなく、そろそろ自分ではっきりと自覚して、そうではない自分になるにはどうしたらいいか、を考えるのではなく、そういう自分で、どうやってくかを考えなくてはいけない、
何時間かへこんで、やっと動悸もおちつき、身体も動かせるようになって思った次第です。

20代のころ、通っていた大きな美容室で、その時初めて遭遇したシャンプーの担当の方の爪が微妙に地肌に当たって気になっていた時、その人は会話の中でやたらと私の言うことに
「それ、違うんですよ、こうなんですよ」
とか
「知らない人はそういうと思うんですけど、実際はー」
みたいな会話をする人で、、帰り際悔しくて、我慢しきれず泣いてしまったことがある。
会話はいいとして、嫌だな、と思う人に頭を触られていることがどうにも嫌で、気持ち悪く、辛くなってしまった。

最近はいわゆる、感じやすい人、受けやすい人、というものに名前もついて、自分を理解するきっかけとして、いいなと思う。

ここ数年、自分に本当に向き合う時が来た、といろいろと行動してるのだけど、ここはもう少し、向き合おうと思った。
だって、20年以上前の自分と何にも変わってない。
気にしない、そうじゃない自分だったら楽に生きられるから、そうじゃない方に変えていきたいと思っていたけれど、違ったかも。変わってないどころか、身体に直に影響している。

数時間でなんとか動けるようになり、うどんをつくり、帰宅した娘に「おいしー」をもらい、学校での話などを楽しくした。

寝室に入る前に天気がよければ星を見上げるのだけど、大きな星がビューッと流れた。
アカウントはないけど、twitterで検索したら、ひとりみていた方がいて、つぶやいてない自分も見てるので、他にも何人かいるだろう、と嬉しくなった。
そんな身体、思考、思い出、食事、流れ星、いろんなことがある日だった。