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連載エッセイ『オタクである自分を認められたあの日まで』

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27年間の人生で物心ついた時から“推し”が途絶えないアラフォー女子はなぜアイドルオタクを辞められないのか。リアコ?イケメン好き?そのどれでもない自分の本当の欲求をオタクに見出すま… もっと読む
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オタクである自分を認められたあの日まで #10

オタクである自分を認められたあの日まで #10

#10 私がオタクで在り続けたい理由この連載エッセイを通して、約25年間の私のオタク人生を振り返ってきた。自分の人生の変化、成長と共にその時々で私を支えてくれた推したちの存在。そして推しと自分の関係性。改めて振り返ることで、紆余曲折あったけど、どれも現在の自分を作る上で欠かせない存在だったと改めて感じている。

ただただ夢を見せてくれる王子様だったはずの推しが、成長と共に芽生えた「周囲と違う自分で

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オタクである自分を認められたあの日まで #9

オタクである自分を認められたあの日まで #9

#9 番外編 お揃いだからって推しになりたいわけじゃないけど冒頭に。日頃平凡な会社員をしている私なのですが、ここ2週間平凡な会社員には荷が重すぎるような仕事が舞い込み、完全にキャパオーバーを起こしています。ちゃんと定期更新ができておらず、本当にごめんなさい。松村北斗の美しい顔に免じてお許しを。

今日はそんな松村北斗くんの言葉から感じたお話を。

毎週金曜日22:00。SixTONESのYouTu

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オタクである自分を認められたあの日まで #8

オタクである自分を認められたあの日まで #8

#8 自分の足で立ちたいこれまで更新してきたこのエッセイのタイトルは過去形だった。というのも過去に抱いてきた気持ちだったから。でも今回のエッセイは現在形、現在進行形である。私の今の気持ちを書き残していきたい。

これまでたくさんの推しを推してきて、いろいろな世界を見てきた。夢の世界を見せてくれたり、自分の居場所を与えてくれたり、自己表現の楽しさを教えてくれたり、夢を叶えることの難しさを教えてくれた

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オタクである自分を認められたあの日まで #7

オタクである自分を認められたあの日まで #7

#7 夢を追いかける人を広めたい2019年。私の人生における一つの時代が終わった。

それはBIGBANGメンバーの入隊。
ご存知の通り、韓国には兵役制度があり、BIGBANGレベルの世界的アーティストであっても、ある一定の年齢になると、軍隊に入隊する。2019年、世界中で華々しく活動していたBIGBANGにもその時が訪れたのだった。入隊に伴い、活動は休止。しばらくの間、教祖G-DRAGONにお目

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オタクである自分を認められたあの日まで #6

オタクである自分を認められたあの日まで #6

#6 夢を叶える人になりたかったK-POPを好きになり、BIGBANGに魅了された私。魅了された期間は結構長かったように思う。きっとトータルすると、8年近く私の生活の中心だった。その8年を過ごす中で、彼らの存在によって徐々に変化が起こり始める。

G-DRAGONという存在を教祖のように崇めていた私だったが、だんだんその崇拝心の影に隠していた自分自身の欲求に気づき始めていた。それは前回の#4 自己

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オタクである自分を認められたあの日まで #5

オタクである自分を認められたあの日まで #5

#5 番外編 自己肯定感が低いって可哀想なこと?

「なんか可哀想っすね。」

突然大学の後輩からこの言葉をかけられた時、言葉の通り、目の前が真っ暗になった。

私って可哀想なの?

その後、すれ違う人全員に聞いて回りたいと思うくらい。可哀想なのか?本当に?

この言葉をかけられたのは、大学の卒論発表の後だった。コミュニケーション論を専攻していた私は比較的自由なテーマを選べることから、自分らしいテ

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オタクである自分を認められたあの日まで #4

オタクである自分を認められたあの日まで #4

#4 自己表現がしたかった「唯一無二の自分になれる場所」
「言葉を交わさずとも共感し合える」

そんな安心安全の場所であったヴィジュアル系バンドの世界をなんとなく、気持ちの赴くままに離れた私は、しばらくは手持ち無沙汰な日々を過ごしていた。
あの時、推しを嫌いになったわけでもなく、何か嫌なことがあったわけでもなく、なぜか最高の居心地を与えてくれる居場所を離れられたことが、私の人生における数少ない成長

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オタクである自分を認められたあの日まで #3

オタクである自分を認められたあの日まで #3

#3 居場所が欲しかった
小学生・中学生・高校生。
7〜18歳。

この時代というのは不思議なものである。なんとなく周囲に流されて、言われたままに、雰囲気の中で生きてきたのにも関わらず、徐々に自我や社会性が芽生える。そしてその先に人間関係が生まれる。その人間関係の中で、個性のぶつかり合いや強い絆が生まれる。
「多感な時期」と呼ばれたり、「反抗期」と呼ばれたり。人が成長する上で、重要な時期であり、人

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オタクである自分を認められたあの日まで #2

オタクである自分を認められたあの日まで #2

#2 入り口はイケメンの存在だった
前回の「#1 オタクを辞める“べき”だと思っていた」の中で、

ちなみに私のオタクで在り続けたい理由というのは、リアコと呼ばれるものでもなければ、推しの容姿や人間性、作品が好きだからというものでもない。

と綴った。たしかに現在の私は綴った通りである。きっと本当に容姿“だけ”が好き、というオタクはどの界隈でも多くはないように思う。容姿がきっかけになることは多々あ

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オタクである自分を認められたあの日まで #1

オタクである自分を認められたあの日まで #1

#1 オタクを辞める“べき”だと思っていた
「27歳 女性 アイドルオタク」

この字面を見て、どんな感情を抱くかー。

「いい歳した大人が(笑)」
「そんな大人になってまで、オタクをやっていてどうするの?」
「現実見た方がいいよ」
「いつまで夢見てるの?」

大人のくせに、痛い、現実見えてない、どうせまともな恋愛できてない。

冒頭のたった3つの情報を提供するだけで、ありがたいことにたくさんの助

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連載エッセイ『オタクである自分を認められたあの日まで』

連載エッセイ『オタクである自分を認められたあの日まで』

#創作大賞2022

連載概要連載エッセイ『オタクである自分を認められたあの日まで』
全10回 毎週2回の更新予定

27年間の人生で物心ついた時から“推し”が途絶えないアラフォー女子はなぜアイドルオタクを辞められないのか。リアコ?イケメン好き?そのどれでもない自分の本当の欲求をオタクに見出すまでのお話。

目次■2022.1.5(水) 更新 #1 オタクを辞める“べき”だと思っていた

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