見出し画像

コラム 「20代は死ぬほど働け!圧倒的成長!」みたいな風潮との付き合い方

はじめに

こんにちは。おぶち(@ofch_ana)と申します。

普段は第二新卒キャリアについての話やDXについての話を色々書いています。


今日はちょっと肩の力を抜いて、
「20代は死ぬほど働いて圧倒的成長!」みたいな風潮との付き合い方について話したいと思っています。

XとかYoutubeとかで

  • 30代で活躍している人は20代で死ぬほど働いている!

  • AIに代替されないビジネススキルをつけろ!

  • 20代から投資して老後に備えろ!

みたいなメッセージが多いんですよね。
多すぎて疲れる。無駄にメンタル削られる。
そういうの気にせず気楽に生きたいと思っている若者は、
結構多いんじゃないでしょうか。

もともと、20代半ば〜30歳過ぎくらいは
人生について悩み苦しみやすい時期で
"クォーター・ライフ・クライシス"
なんて言葉が海外では一般的に知られているくらいだそうです。

現代ではSNS等で不安を増幅するような情報を目にする機会が増え、
クォーター・ライフ・クライシスに陥る人も増えたのでは、と想像します。

かく言う私もその一人でした。

でも、最近そういった苦しみとの付き合い方がうまくなったので、
ちょっとこの記事にまとめたいと思います。



なぜ"圧倒的成長!"という風潮が生まれたか?

なんでこうも圧倒的成長を煽る風潮がここまで大きくなったのか、
そのメカニズムを理解しておくだけでも少し気は楽になると思います。

気になるあの子からLINEの返信がやけに遅くても、
今日はどうやら飲み会らしいことがわかれば気にならないですよね。

結論から言うと、
転職や起業が身近になるといったキャリア観の変化に乗じ
転職エージェントのアフィリエイトがSNSで増えた結果、
キャリアの不安を煽るメッセージがめっちゃ蔓延したから
と言う理由が大きな一因だと思います。

労働力減少による企業の負担増加により終身雇用が約束されなくなり、
また、働き手も自立したキャリアを求めるようになりつつある背景から、
転職や副業、起業といった選択肢が身近になりました。

転職者が増えると、人材紹介の業界が活発になるため、人材紹介、いわゆる転職エージェントが増えます。
人材紹介は元手が不要でニーズも大きい堅実なビジネスモデルです。
キャリアの自由として人材紹介で起業をするようなケースが多いことも、
転職エージェントが増えている要因かと思います。

厚生労働省によると、
日本国内の有料職業紹介事業者の数は約3万所にもなるらしい…

彼らの集客手法のメインはやはりアフィリエイトでしょう。
以前はWebサイトでサービスのランキング記事を書いて、
登録ページに誘導するものが主流でした。
最近はXやインスタでのキャリアについて発信し、
転職エージェントの登録ページをぶら下げる様子が多くみられます。

▼こういうやつ

私が南野拓実だったら「うっさいんじゃボケ」と言ってます。
人事10年もやってそれしかわからんのかい。

ポジティブな感情よりネガティブな感情のほうが行動に結びつきやすい。
だから、

今の会社やばくない?
君は今のままでいいの?
みんなキャリアップしてるよ?
20代は圧倒的に働いて差をつけよ?

みたいな論調に偏り、あたかも
残業・成長・サイコー!
と全世界が言っているように見えてしまう、
といったカラクリだと思っています。

幸福度を測る"モノサシ"が変わる瞬間

そんな、"圧倒的成長!"というメッセージが
若者の心に棘のように刺さり、蝕んでいく要因の一つに
社会に出た途端、幸福度を測る"モノサシ"が変わる
ということがあると思います。

小学校・中学校・高校・大学では、
点数や偏差値、学歴といったモノサシで評価されてきました。
高い点を取れば友達に褒められ、良い大学に行けば身内から賞賛されます。
そうして未熟な自尊心を満たし、全能感に包まれることが幸福であると、
肌で実感していました。

しかし、社会に出ると気付きます。

俺は狭い1Kと会社の往復。
心からやりたいと思ったことのない仕事。
偏差値で評価は上がらない。
地元で高卒で働いている友人は車と家を買ってるし、なんだか幸せそう…

あれ?俺って今幸せじゃないかもしれない。
幸せは偏差値や学歴では得られないじゃないか。
何がどうなったら俺は幸せになるんだ?

と。

いつのまにか、
偏差値や学歴といったわかりやすいモノサシから、
幸福度というもやもやした得体の知れないモノサシに

変わっていたのです。

特に高学歴の人は、
"幸せになる"ことが下手くそである
傾向にあると思います。
彼らがずっと握りしめていたモノサシを取り替えると言うことは、
彼らがずっと大事に磨いてきた偏差値や学歴を捨てるようなものですから。

こんな時代だから幸せの解像度を上げよう

ここまでで

  • 圧倒的成長のブームの正体は転職エージェントだよ

  • 学生と社会人では幸福度の高め方が違うよ

といったことをお話ししました。

さらには最近は積み立てNISA!月5万!な論調も強く
なんか若い人がストレスを溜めやすい時代だなー
と思います。

こんな時代だからこそ、一旦立ち止まって、
幸せの解像度を上げてみましょう。

言い換えると
どんな生活をしていると私はポジティブな気持ちで過ごせるか?
と具体的に考えていくような行為です。

例えば、私は
ケンタッキーをいつでも食べられるくらいのお金があれば十分幸せ
だと本気で思ってるんですよね。

特に和風チキンカツサンドが甘辛くてジューシーで最高。
平日ランチで和風チキンサンドのセットが720円で食べれるんですよ。
他にも、ミスドに行けば500円で美味しいドーナツが3個食べられるし
ちょっと高めの回転寿司に行ったらめっちゃ美味しい寿司が食べられる。

平日は夜Mリーグとかお笑い見る余裕があって、7時間くらい寝れればいいか。
あとは月に1回ゴルフ行って
年に2,3回くらい国内旅行、たまに海外なんか行ければいいかな。

仕事は、納得感と面白さを感じつつも、
世の中のためになっていると心から信じられる仕事に没頭し、
相応の給与がもらえたら十分だろうなあ。

とかとか、具体的な行動を想定していくと、
あれ、幸せになるのにあんまりお金ってかからないんだな、とか
あれ、すでにそれなりに幸せじゃん、とか
そんな気づきがたくさんあると思うんですよね。

こうやって幸せの具体化を重ねていくと、
ああ、こうやって小さいポジティブを積み重ねた結果が幸せなんだな
と本心から思えるようになります。

すると、
視野のほとんどを占めていた仕事は
あなたの生活を彩る一部でしかない

ということがわかるでしょう。

幸せの解像度を上げることで、
目の前の小さく、でも確かに存在している幸せに
気づいてあげることができるようになります。

おわりに

幸せにきちんと向き合うことで、
仕事とも健康的に向き合うことができます。

とはいえ、収入と仕事が密接に関係していることも事実ですから、
仕事を頑張れば幸せの自由度もあがります。

ただここで大事なのは、
仕事を頑張るモチベーションが、"具体的な幸せ"を源泉としているか
だと思います。

30歳までに年収1000万円を達成するとか
あいつよりも先に新人賞を取るとか
同期で一番早くリーダーに上がるとか
そんな、漠然と自己顕示欲を満たすためではなく、

平日は大切な人とゆったり過ごす時間があって
毎週末美味しいランチを食べに行けて
たまに温泉にいける
そんな、具体的で小さな幸せの集まりとしての幸せを得るために
キャリアを描けるようになれば、
もっと前向きで、素敵な人生になるんだろうな、と思います。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?