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【目印を見つけるノート】1017. R.I.P., Mr. Jeff Beck(4)

高橋幸宏さんも逝ってしまわれたのですか😢
以前に一度書かせていただきました。私にとって救いのような時間についての話でもありました。
心からご冥福をお祈りします。

🌟
Jeff Beckさんの曲を流すライティングラジオのようになっている本項目ですが、今日で一区切りかなと思います。

ソロの3枚のアルバムでジャズやフュージョンへアプローチしたBeckさんは1985年の『Flash』というアルバムから歌のある曲に戻りました(インストゥルメンタルは2曲のみ)。原点回帰とかきのううっかり書いてしまったのですけれど、歌が入ったというのが回帰ではないことに、聴いてみて遅まきながら気づきました。ここからまた新しいことをしていらっしゃいます。すごいなぁ。

ここからは私も後追いで学ぶ感じです😅

Rod Stewartが参加したこの曲、PVとチョーキングがいいですね。切々としたヴォーカルももちろんですが、ギターの音がとってもきれいです。
Jeff Beck『People Get Ready』

プロデュースが当世風の方だからというのもあるのでしょうか、全体的に『Flash』はとても当世的(1980年代の)でした。
個人的には女性がヴォーカルを取っているこの曲がRockなモードで新鮮でした。
Jeff Beck『Back On The Street』

閑話休題。
この頃かな、レス・ポールさんの本を買って読んだのです。有名なギターというより、「レス・ポールさん」の作ったギターの本です。そこに載っていたのは、アルミボディのギターとかフレットレスもヘッドレスもあったかな。ちょっと記憶が怪しい。変わったものが結構出ていて、その試行錯誤の過程に「さすが1ジャンルを作る人なだけある」と感心していたのです。
その本を読んでいて、しきりにベックさんのことを思い出しました。ベックさんはストラトもテレキャスも、もちろんレスポールも使うのですが、何ていうのかなあ。ギターの種類ではなくて、作り出す音への飽くなき探求というのがずっとあるイメージなのです。もちろん、車を改造しているように、それをとても楽しんでいる。

その点が、レス・ポールさんと似ているように思ったのかもしれません。

もとい。
『Flash』の後にTerry Bozzio とTony Hymasが参加して制作された『Guitar Shop』はそのレス・ポールさんの本を改めて思い出すようなものでした。好きだなあ、この感じ。
一曲めから「ショップと違う、ファクトリーじゃん」と快哉を叫んだのでした。工場です。全編通して楽しい雰囲気でした。聴いていても同じです。だいたい斬新なことをしていると、聴いていて「?」になることもあるのですが、このアルバムはいい。
またインストゥルメンタルになっているのも正解かも。
一曲め『Guitar Shop』は引用できないので残念です。したかったなあ。

Jeff Beck『Big Block』

Jeff Beck『A Day In The House』

ここでひとつ、ご本人の行きたいところへ着いたのではないかと私には思えました。初めて聴いて、後はまだ聴いていないのに😅
そしてまた次を目指すのですね。

Beckさんは『孤高のギタリスト』といわれています。確かにユニークさということではそうかもしれませんが、この方はすごくたくさんのミュージシャン、プロデューサーと一緒に「自分の音楽」を創ってきたのです。そういうと、職業としてのギタリストだったのかと思われるかもしれませんが、いや、根っからのギター小僧だったからではないのかな。
「さて、このマシンで次は誰とどんなのを作ろうか」という感じです。

この後、1990年代はジーン・ヴィンセントのカヴァーアルバムに参加したりしましたが、次のオリジナル・アルバムが出たのは1999年でした。

Jeff Beck『What Mama Said』(アルバム『Who Else?』より)

Jennifer Battenという、ギターのタッピングの名手が参加しています。刺激的だったのでしょうね。自分もやってみせたりする辺り、ちょっと楽しい。

私はこの曲がお気に入り♪
Jeff Beck『Thx138』

このライブ音源もいいですね。
Jeff Beck『Blast From The East』

話が前後しますが、
『Scatterbrain』でも出したこのライブは2007年の『Ronnie Scott's Jazz Club』のものです。ドラムスのVinnie Colaiutaは2006年、ベースのTal Wilkenfeldは2007年からBeckのユニットメンバーとなりました。このお二方とのやりとりはどこか和やかなように感じます。

さて、
続くアルバム『You Had It Coming』(1999)でも打ち込み、プログラミングの使用がより顕著になります。それはアルバム評にも書かれていましたが……私は奇想天外とは感じなくて、逆に、新しいフィールドを楽しんでいるように思えます。新しいおもちゃを手に入れた、みたいな。
そして、新しい友人に会えたという喜びもあったのではないでしょうか。この辺りから私はそう強く感じるようになりました。

Jeff Beck『Left Hook』(アルバム『You Had It Coming』より)

Jeff Beck『Rollin' and Tumblin'』(Live)

奇しくも、「◯◯三部作」というのが続いているようですが、2003年の『Jeff』でエレクトロな三部作となりました。エレクトロといいつつ激しいのもありますし、ポップではないように思います。

Jeff Beck『So What』(アルバム『Jeff』より)

Jeff Beck『Hot Rod Honeymoon』(アルバム『Jeff』より)

この辺りは聴いていてドキドキ、ワクワクしました。そして、圧巻だったのはグラミー賞のインストゥルメンタル部門を受賞したこの曲です。スリリングでアドレナリンが上がりっぱなしになります。
Jeff Beck『Plan B』

2010年には7年振りになるアルバム『Emotion And Comotion』がリリースされました。さきに出したVinnie Colaiuta、ベースのTal Wilkenfeldが参加しているアルバムです。
Jeff Beck『Hammerhead』(Live)

ライヴはちょっと後の映像になります。1970年代からの盟友、Jan Hammerさんへの曲とのことですが、このライヴのギターの音がめっちゃ素敵なのでぜひ。

このアルバムはカヴァーが多いこと、女性ヴォーカルの曲が多めなことが特徴といえますが、Jeff Buckleyのカヴァーが2曲あります。そのひとつを。
Jeff Beck(feat.Imelda May)『Lilac Wine』

このアルバムからまた、カチッとスイッチが切り替わったように思います。人も音もどんどん自由になっていくように聴こえるのは、アルバムジャケットの猛禽類(鳥)のイメージが強いからかしら。女性の声があるのも影響しているかもしれません。

そして2016年、『Loud Hailer』というアルバムがリリースされました。
拡声器をイメージしてのアルバムだということですが、個人的にはSly & The Family Stoneの『There's a Riot Goin' On』を思わせるようなところもあります。
Jeff Beck (feat. Rosie Bones)『The Revolution Will Be Televised』

このトップ曲はこの曲を念頭に置いているのですね。
Gil Scott『The Revolution Will Not Be Televised』

このアルバムは全曲、といいたいところです。ソロアルバムとしては最後になってしまった。
ただ、このアルバムの曲はあまり引けるようになっていませんので、最後の曲だけ出させてください。

Jeff Beck『Shrine』

Shrineは日本でいえば「神社」、聖なる場所のことです。こちらはこれまで聴いてきたBeckさんの曲の中でも、1、2を争うぐらい、美しいです。
「美しい」という形容詞をあまり使ってきませんでしたが、この曲に使うためにとっておいたのかもしれません。

美しい曲はもちろん、他にもありますよ。ライヴの動画をどうぞ。
Jeff Beck『Little Wing』

Beckさんは近年、Johnny Deppさんと共同作業をされていて、『18』というアルバムがリリースされています。

Jeff Beck and Johnny Depp『What's Goin' On』

これが本当に最後のアルバムになりました。

これは、ギターの音が大好きな、何億人もいるであろう、一ファンによる小さなラブレターです。
ただただ、Beckさんの作り出したものを出したい、それだけで何千字も書いてしまいました。

最後にひとつ。
Eric Clapton, Jeff Beck, Jimmy Pageの俗にいう「3大ギタリスト」とBrian Mayがエリザベス2世に謁見するシーンを動画で見ました。ちょっと前ですね。
前女王に自己紹介しつつ、「私達3人は同じバンドにいたのです」と言っているのが聞こえて、ちょっと、涙が出ました。

Brian Mayさんがあげていた動画も(私も全部聞き取れてはいないですが)。

MayさんはSNSで「R.I.P.」と書くだけでは気が済まなくて、5分のコメントをあげられたのだと想像します。これを拝聴して私はさらに涙が出てきました。

私が書く何倍も響くコメントだと思いますので引用させていただきます。そして最大の敬意を表して、Mayさんが何度も出されていた曲を出させていただきます。

The Yardbirds『Shapes Of Things』

Jeff Beck Group『Shapes Of Things』

それでは、お読み下さってありがとうございます。
Jeff Beckさんのご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。
Sincerely, Yours

尾方佐羽

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