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経営者は「構想」を客に委ねてはいけない

飲食店で、お客様の要望に応えるために、多種多様のメニューを用意しているという経営者をよく見かける。
でもそのおかげで店主は毎日仕込みに追われクタクタになってる。さらに年を追うごとに、このままお店をやっていけるか心配なっているにも関わらず、お客さまの要望に応えないと客が減るからやめられない、と思っている経営者。

本当にそうだろうか?

ビジネスのプロセスは「構想」と「実行」の2つに分けることが出来る。
構想とは、例えば飲食店だったら、どんなメニューを揃えて、それをどんな材料でどうやって作るかなど、頭で考えることで、実行とは実際に体を動かして頭で考えたことを実現するために動く、肉体的労働のこと。

この「構想」と「実行」は一体であるべきだ。なのに、それを分断し、「構想」を顧客に委ねてしまっているから前述のような思考にはまり、どんどん疲弊していく。
お客さまが、あれ食べたい、これ飲みたい、というからと言って、どんどんメニューを増やし、それらを準備することに大半の労力を費やす。そして、心身ともどもクタクタになり思考が停止したまま日々が過ぎていくというパターン。
こういうお店が繁盛しているかというと、もしかして繁盛はしているかもしれないが、もうかっているかというと、それはないと思う?
忙しいだけで儲かってはいないはずだ。

「顧客は本当に自分が欲しいものは知らないのだ」とスティーブ・ジョブスは言っていた。
iPhoneが世に出る前、iPhoneを見たこともない人はiPhoneを欲しいとは思わないのだ。iPhoneを見たからiPhoneが欲しいと思うのだと。

まさにその通りだと思う。

我々飲食店も、顧客が食べたいもの飲みたいものを客に聞くのではなく、自分のお店で何を提供したいのか、どんなお店にしたいのか、その「構想」を手放してはいけないと思う。
構想を手放してしまうと考える力がなくなり、洞察力や知識も無くなっていく。

「構想」と「実行」を一体化させることで、過酷な労働から解放され、やりがいのある、魅力的なビジネスが出来る。

何事も、「捨てる勇気」と「やらない決断」が大事なのだ。

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