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ネットワーク経済性とネットワーク外部性、どう違う?

どちらも一度は耳にした用語ではないでしょうか。

なんとなく説明できるのですが、いざ両者の違いをあげようとすると、言葉に詰まるもの。

類似概念ではありますが、違いを確認します。


使う人が増えれば、その商品やサービスの価値が高まる!?


ネットワーク経済性は、その商品やサービスが利用者の数が増えるにつれて、それらの価値が増大する一方で、各種コストが低減する現象を指します。米電話会社・ベルテレフォン社長のセオドア・ヴェイル氏らによって提唱されたと言われます。

たとえば、電話や電子メール、SNSなどが代表例でしょう。これらのサービスは、多くの人が利用するほど、コミュニケーションや情報交換の価値が高まります。これは、利用者同士が相互に影響を与えることで、製品やサービスがより魅力的になるということを意味します。

一方で、それら商品やサービスの価値が高まり、魅力的になれば、顧客獲得コストやサービス提供コストも下がってきます。このように、ネットワーク経済性とは、ネットワークが広がることによって経済効率が高まる「経済性」を指した用語と言えます。


「経済性」と「外部性」、ここの違いを知ることが大切


ネットワーク外部性も、ネットワーク経済性と同じ現象を指します。ただし、同じ現象を指していながら、「外部性」とあるように、少しニュアンスが異なります。

「外部性」とは、商品やサービスの生産・消費とは直接関係のない第三者にも、コストや利益を発生させることを指します。たとえば、予防接種がわかりやすい例でしょう。予防接種を受けた本人はもちろん、予防接種を受けていない周囲への伝染予防にもつながります。

さて、ネットワーク外部性についても確認しましょう。ネットワーク外部性も、ネットワーク経済性と同様に、製品やサービスの利用者が増えることで価値が増大する現象を指します。ただし、「外部性」とあるように、利用者にはもちろん、利用者以外にも影響を与える点が強調された用語です。

たとえば、コンピュータOSで有名なWindowsはネットワーク外部性を持っている代表例です。Windowsの利用者が増えることで、Windowsユーザーはもちろん、Windows上で稼働する他のソフトウェアのユーザーにも良い影響を及ぼします。結果、そのWindowsが普及すればするほど、その補完サービスであるソフトウェアも多くメリットを享受でき、両者がさらに普及が促進するということです。

ネットワーク経済性もネットワーク外部性も同じ現象を指していますが、その意味しているところが少し違っています。こうした違いに目を向けることで、さらにその現象への理解も深まるでしょう。

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