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新入社員の「配属ガチャ」、なぜ起きる?

4月になると、各社とも新入社員をお迎えすることでしょう。そして初期研修を終えると、最初に待ち受けるのは「配属」の問題です。

近年、この配属がまるで「ガチャ」のようにランダムに決まることが不満の要因になっていますが、そもそもなぜ起きてしまうのでしょうか?




そもそも配属はどう決まるのか?


企業の人事部門は、新入社員を最も必要とする部署に配属することを目指します。しかし、それは必ずしも新入社員の希望や能力に基づいているわけではありません。企業のニーズが優先されるため、新入社員にとっては予測不能な「ガチャ」のように感じられることがあります。

企業によってその方法はさまざまですが、たとえば、新入社員の配属先が決まる方法は以下のような流れで進行します。

  1. 書類選考や面接:人事部や管理職、役員が新入社員の適性を判断します。これは新入社員の大学での専攻科目やこれまでの経歴、面接での印象などを考慮します。

  2. 採用通知:企業から新入社員への採用通知が出されます。

  3. 本人の希望をヒアリング:人事部と新入社員との間で希望配属先についての面談が行われます。

  4. 研修やグループディスカッション:新入社員の性格や特技を確認するために、研修やグループディスカッションが行われます。

  5. 最終的な配属先を決定:上記の情報をもとに、最終的な配属先が決定されます。

つまり、配属先は、企業のニーズ、新入社員の適性や希望、そして採用計画を考慮して決定されているのです。配属先が決まる時期は一般的には入社後になりますが、その検討はそれ以前よりも始まっているという訳です。


配属ガチャ解消は、いかに納得感を醸成するか?


こうした会社としての事情がある一方で、新入社員は誰しも自分の能力や興味を最大限に活かせる部署に配属されることを望んでいます。

しかし先述の通り、企業のニーズと新入社員の希望が一致しない場合は確かに存在します。結果、自身の希望が叶わなかった新入社員は、その決定が「ガチャ」のようにランダムに感じられてしまうのです。

ただし、人事にとっても、可能な限り、新入社員の希望を叶えたいと考えています。したがって、この「配属ガチャ」問題は、新入社員だけでなく、企業にとっても大きな問題なのです。

当然ながら新入社員が自分の能力を十分に発揮できない部署に配属されると、その結果、企業全体の生産性が低下する可能性があります。さらに、新入社員のモチベーション低下や早期離職につながる可能性もあります。せっかく投じた費用や工数を無駄にしないためにも、人事としても最大限、こうした問題に配慮したいと思うものです。


配属ガチャ問題を解決する方法はあるのか?


企業と新入社員の間には明らかなギャップが存在します。これを解決するためには、企業は新入社員の能力や希望をより考慮に入れ、新入社員は企業のニーズや状況を理解することが求められます。また、企業は新入社員が自分のキャリアを自己決定できるような環境を提供することも重要です。

結局のところ、「配属ガチャ」は企業と新入社員の間のコミュニケーション不足から生じる問題であり、双方が互いの立場を理解し、尊重することで解決できる問題です。これは、企業だけでなく、新入社員にとっても重要な課題と言えるでしょう。そして、この問題を解決することで、企業は新入社員の能力を最大限に活用し、全体の生産性を向上させることが可能になるのです。これこそが、真の「驚き」なのかもしれません。

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