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オフィス出社すべき"社員"と"その場面"とは?

オフィス出社させるべきか否か ―― 現在、多くの企業でそのあり方に関する議論が続いています。

議論は未だに結論が出ておらず、一種の宗教論争のようになっており、終結の兆しは見えていない状況です。

そのなかで、最近Microsoft社が「対面での仕事が最も効果的な場面」を3つ提案しました。


オフィス出社すべき3つの場面とは?


この論争に対して、Microsoft社が明らかにした「対面での仕事が最も効果的な場面」は次の3つです。

  1. チームの結束を強化する場面

  2. メンバーが新しいチームや役割に挑戦する場面

  3. 新しいプロジェクトを始める場面

確かに、これらの場面では対面での作業が効果的であることは直感的に理解できます。しかし、ここで深く考えるべきなのは、オフィス出社を希望する人々とそうでない人々の間で意見が異なる背後にある要因です。

なぜこの3つの場面が対面で行うべきと感じる人と、感じない人との間で意見の相違が生じるのでしょうか?

この違いは、何らかの前提が満たされていないからかもしれません。


新人は積極的にオフィス出社すべき?


オフィス出社について意見が分かれる要因の一つは、その社員が持つ「社会関係資本」に関する問題があります。

社会関係資本とは、「人と人との関係は資本である」という考え方で、米国の政治学者、ロバート・パットナム氏によって定義されました。この資本を持っているかどうかは、職場での成功に大きな影響を与えます。当然ながら、人とのつながりを持っている人は、そうでない人と比べて、仕事を進める上で支払うべき「人間関係に関連するコスト」を削減できるでしょう。

こうした社会関係資本は、新人と比べて、組織に長く在籍する社員ほど豊富に有しています。もちろん、社会関係資本は単にオフィスに出社すれば手に入るものでもありませんが、オフィス出社して対面で交流することによって、これを築く一助になるのは間違いありません。

さらに、組織適応においても、新人がオフィスに出社するメリットは高いと言えます。これは、新人が組織のカルチャーを理解する上で、先輩や同僚との対面コミュニケーションが非常に重要だからです。もちろん、メールやチャット、トップのメッセージ、業務内容などからもその組織のカルチャーを感じ取れますが、未経験の新人にとって、実際に人と対話しながら学ぶことは極めて有益です。

これらの要因を考えると、オフィス出社が可能であるなら、新人時代はなるべく対面でコミュニケーションを取ることが望ましいでしょう。

その組織に慣れてくれば、個別の作業に集中したい場合はテレワークを活用し、チームで協力して成果を出したい場合はオフィス出社を選択するなど、使い分けることもできるでしょう。その際、改めて大事な点は、働く場所はあくまで手段であり、目的に合わせて適切な手段を選択することではないでしょうか。

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