歳時記を旅する41〔原爆忌〕後*折鶴を折るは祈りや白むくげ
磯村 光生
(平成三十年、『花』)
(「歳時記を旅する41〔原爆忌〕中*丸薬を色で仕分けて敗戦忌」からの続きです。)
平和記念公園で安倍首相に迎えられたオバマは、初めに原爆資料館に入った。見学時間は一〇分。
オバマが関心を寄せたのは、被爆が原因で白血病を発症し、一九五五年に十二歳で亡くなった佐々木禎子さんが折った鶴だった。
佐々木さんは亡くなるまでの八カ月間、病床で鶴を折り続けた。
オバマは自ら折った四羽の折り鶴を寄贈した。
折鶴は「私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう。」という自筆のメッセージとともに原爆資料館に展示してある。
句の木槿の花は一日でしぼんでしまう。しかし、折り鶴は一羽ずつ折り続ければ千羽にも万羽にもなる。白が胸に沁みる。
(吉野直也『「核なき世界」の終着点』日本経済新聞社より一部引用)
(岡田 耕)
(俳句雑誌『風友』令和五年八月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)
写真/岡田 耕(原爆資料館 オバマ大統領が記したメッセージと折鶴)
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