見出し画像

一味違うクリスマス2022。

 今年も無事(?)クリスマスが終わったが、2022年のそれはどこか情景が違って見えた。皆さんのところはどうだっただろうか。

 大雪で大変な方には申し訳ないが、12/24,25共に東京は本当にいい天気。驚いたのは人出の多さだ。今年のイブは土曜日で、所要があって午前中に都心方面へ電車で出掛けたのだが、何とギュウギュウ詰めの満員。プレゼントでも買って貰うのか、それともお食事なのか、これだけの人が一体どこへで出掛けようというのか(苦笑)。

 用事を終えて返ってきたら、今度はケーキ屋さんに長蛇の列ここ20年、こんな事は無かった"当て" の外れた「損切丸」も列に並ぶしか無かったが、まるで「バブル期」に戻ったよう。

 特に12月中旬から人や「お金」の流れは急速に変った。考えられる要因はただ1つ。冬のボーナスが増えた影響だろう。*「インフレ手当」に加え毎月の「お給料」も増え、その心理的効果は絶大

 *「バブル期」「狂乱物価」とか「予約半年待ち」など酷い状況だったが、「お給料」が上がると全て打ち消されてしまう「景気は気から」と言うが、本当に「お金」の威力は凄い。メディアを中心に暗い話ばかり目立つが、どうも世間一般の空気は違って来ているようだ。

 その他にも驚いたのが羽田空港の変化。奥さんがちょくちょく九州に帰省するが、今夏まではいつ行ってもガラガラだったのが最近は駐車場に入るのに30分ぐらい待ったりする。これも「バブル期」を想起させる。平日でも飛行機はほぼ満員のようで、こちらも便数を削った「供給不足」が如実に出ている。「人手不足」の恒常化で元にすぐ戻せる状態ではない。

 これらの状況は、おそらく来年1月以降の経済指標に反映されてくる「コロナ危機」の影響で店舗が淘汰され供給力が下がった影響もあろう。土日祝日にファミレスが家族連れで混雑すること然り、行動制限が解除され「需要」が高まる中、典型的「インフレ」現象だ。昨年以降「賃上げ」が先行したアメリカで起った事象が、半年遅れでこの日本で起きている

 「新築のマンションを買おうと思って募集したけど落選した」

 日本人にとっての「最適投資」2023。- 円金利上昇で狭まる選択肢。|損切丸|note でも書いたが、「自宅」も「投資」の一環。  はある人から聞いた話だが、駅近(目黒区)の新築マンションは抽選制になっており、当たらないと買えない状況。値段を聞いてビックリ、何と ”坪600万円” ≓ 50㎡で1億円超え!。それでも買いが殺到している。

 「東京オリンピックが終わったら東京の不動産価格は暴落する」

 「損切丸」は一貫して否定してきたが、根拠の薄いこんな "デマ" に惑わされて「自宅」を買いそびれた人も多かったと思う。 "暴落" どころか待っていたのは強烈な「インフレ」

 「東京の新築マンション価格は平均年収の15倍超え」

 今も「高値」を吹聴する記事が多いが「現実」は圧倒的に買いたい人が多いコツコツ貯めてきた「預金」が目減りするのを苦々しく感じている人も多かろう。これから「賃上げ」が本格化する日本では暫くこの状況が続く

 売買市場の活況とは裏腹に面白い動きを見せているのが賃貸市場。2021年には「リモートワーク」の普及などで:

 ①広めの部屋に複数人で住む傾向
 ②通勤1時間圏内の東京郊外脱出する動きが加速

 筆者も初めて見たが2021年には東京が「人口流出超」に転じた。特に1人暮らし世帯の賃貸物件に空きが目立つようになり、都心のオフィスも空室率が目処となる@5%を超え@6%台に。いわゆる ”スラック” (Slack、緩み)が生じている。結果、2022年を通して不動産価格の上昇とは対照的に賃貸料には下落圧力がかかった。** "条件" を緩める大家さんも多かったはず。

 **ある業者さんから聞いた話だが、分譲型マンションを安く貸し出すケースが増え、アパートなど既存の賃貸物件を圧迫する状態が続いたそうだ。ここにはどうも「中国の不動産問題」も一枚噛んでいるよう。「資金繰り」に窮した投資家が売りを急いだ結果、それを「投資物件」とした買った国内投資家が慌てて賃料を引下げた

 この ”スラック” も、外国観光客や街中の「人出」増加と歩調を合わせるように急速に改善が進んでいる。海外からの人口流入に関しては「中国」を除けば順調に戻って来ており、早晩2020年以前の状態に戻りそうな気配。「賃上げ」で売買市場の活況が続けば、相乗効果で賃料の下落にも歯止めがかかるだろう。「インフレ」加速への状況は整いつつある。

 時を同じくして日本市場で起きた大きな変化は、何と言っても日銀によるYCC上限金利の+0.25%引上げ「住宅ローンが大変!」という煽り記事が目立つが、現在のアメリカや「バブル期」の日本のように30年ローン金利が@7%になったわけでもなく、この程度の金利上昇で破綻するようなら、さっさと物件を売却してローンを返済する方が賢明だ。

 そもそも変動金利を選んだのは借手自身の「リスク」であり、日銀が悪い訳ではない固定金利に切り替えるかどうかはまさに自己責任***「オリンピック後に…」のニュース同様、考え方がもう時代にそぐわない。その辺りは株やFXに馴染んだ若い世代を中心に確実に意識が変化している。

 ***不思議なもので「金利」というのは ”気” を現す部分もあり「金利が上がった」≓「景気が良くなる」と感じさせる効果もあったりする。12月になって街の雰囲気が変った事と無関係ではないだろう。

 12/26 A新聞一面「余計なこといわぬよう」

 デカデカとこんな記事が載っていて驚いたが、日銀総裁が首相に怒られたという話。元・首相の後ろ盾があって好き放題してきたが、@115円から+40円にも及ぶ「円安」の半分は「余計なこと」を言ったからFRBが「利上げ」に動く中、あれだけ「金融緩和!」を連呼すればファンドは飛びつく

 ご本人は「バズーカ」以降、マーケットを牛耳っていると ”勘違い” されたかもしれないが、実際にはただ「利用」されただけようやく終わる ”狂気のバズーカ時代” → 本格化する世界の「QT」(量的引締)。|損切丸|note でいよいよ日本も「団塊」「昭和」から世代交代して「新時代」へ。さて来年の「クリスマス」はどうなることやら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?