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国民民主党は都市政党になるべき

 今年は夏に参議院選挙がありますので、各政党が党勢拡大を目指して有権者へのアピールを議会で行っています。

今年の参院選に向けて維新の会と立憲民主党が何をすべきかについては前に書きました。

今回は2/7までの国民民主党の活動から、選挙に向けて何をすべきかを考察します。

・何をすべきか? それは衆院選の公約の実現

 多くの政党が勘違いしているのは参院選に向けて新しい対立軸を作ろうとしている点です。

立憲民主党と日本維新の会は野党第一党の座を争って、衆院選の公約実現よりもパフォーマンスを行っているように見えます。これは余計なことです。

 全ての政党は昨年の衆議院選挙で有権者に公約の実現を約束して当選しています。ですから、基本的には新しいことをするよりも政策の実現を行うべきなのです。特に岸田政権はグダグダですので、政策論争による政権攻撃は可能です。

ゆえに国民民主党は公約の実現をまずは堅実に行っていくことが大事だと思います。

・期待と不安が半々

 国民民主党の議員が予算委員会で質問している内容を聞いていると、期待と不安が半々です。

国民民主党の玉木代表は通常国会が開会して最初の代表質問で今国会を「賃上げ国会」にしたいという宣言をしていました。国民民主党は今国会で重視しているのは労働者の賃金上昇です。

 昨年公開された公約でも積極財政と給料の上がる経済を掲げています。積極財政については企業にばらまくというよりは個人向けの給付についての言及が多いです。確かに公共事業のような特定の事業に対する補助金よりは公平だと思います。

その一方で岸田政権の健全財政路線に関連する金融課税の話に連携の可能性を示すのは危険な気がします。

ですが、消費税減税と自動車減税法案を参議院に提出したことと、ガソリン代の負担を減らすためにトリガー条項について何度も政府に実現を求めていることは重要なことで評価できます。

・自民党に一部迎合する必要はない

 予算委員会で前原議員と岸本議員の質問を見ていますと以下のことがわかります。

まずMMT的な政策と並行する財政健全化議論に対して懐疑的だということです。両議員は現在の政府支出の状況を放漫財政だと指摘し、2025年までの財政健全化目標は難しいだろうと岸田総理に苦言を呈しています。

現在の岸田総理の財政健全化目標は危険だということを指摘するのは別に構いませんが、更なる財政支出の容認や増税議論を容認する姿勢はあまり歓迎できません。

この増税の議論や増税ありきの放漫財政に対しては自民党に任せて、国民民主党はそれを批判し、消費税・所得税の減税を主張する方がいいと考えます。

次に株主資本主義からの脱却ですが、これも国民民主党は関与する必要はないように感じます。

現在の議会構成を見ると、株主の代弁者となる政党の存在はありません。全政党が共通して金融業界に税金という形で搾取を行おうとしているので、国民民主党はこの流れに同調して同じ扱いされるのではなく、逆張りをして金融業界の唯一の受け皿になるべきだと思います。

基本的に増税の議論は自民党に任せて、それを批判しながら消費税の減税法案の話をより詰めた方がいいと思います。

最後にトリガー条項についてです。岸田政権はガソリン代の値段が上がっていることの対応として補助金を出していますが、岸本議員はその効果の薄さについて言及しました。

これはいい指摘だったと思います。鈴木財務大臣の答弁を見てもわかりますが、財務省はトリガー条項については触れずに補助金で済ませるつもりです。

このトリガー条項の流れは言い続けることで着実に認知が広まり支持に繋がると思います。

岸田政権の補助金政策の効果の薄さは今後ますます値上がりするだろうガソリン代を見れば明らかになりますので、国民民主党は政権攻撃をできるタイミングを待てばいいのです。

・終わりに

 小池百合子氏との連携を理由に悲観的な意見を持つ有権者が一定数いるようです。

確かに小池百合子氏は不安材料ですが、国民民主党全体が乗っ取られるかは不明です。選挙の話題作りも国民民主党のようなまだ弱い政党が生き残るには必要な戦略だと思います。

 元埼玉県知事の上田清司参議院議員や都民ファーストの会との勉強会などを行い、新しい都市政党として成長する可能性のある国民民主党は、規制改革と減税などの主張を行うことが大事だと思います。

 前原議員が岸田総理への質問で原丈人氏の「新しい資本主義」「公益資本主義」について言及していました。

前原氏は原氏の株主資本主義からの脱却とかに注目していましたが、原氏の主張の中には東京を金融都市にするために大減税を行う主張などもしていますから、典型的な都市部の有権者向けの政策を立案・実行していくのも一つの路線であり、大事だと思います。




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