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【読書感想】オリガ・モリゾウナの反語法

オリガ・モリゾウナの反語法 米原万里 集英社文庫

寒いですね。昨日は神奈川でも雪がちらっと降ったところがあったみたいです。極寒の自宅から(というか私が冷え性になってしまっただけなのか?)こちらよりも寒そうな国を舞台にしたお話をお届けします。

読む前はタイトルがちょっと?な感じなのでどんなテンションで織りなされる話なのか想像できませんでしたが……いやあ、面白かった。

ソ連崩壊直後のモスクワで主人公が、少女時代を過ごしたプラハ・ソビエト学校で抱いていたオリガ・モリゾウナという舞踊教師についての謎解きをしていく……というのが大筋です。
ソ連の話と聞くと重くて苦しい話になるイメージを持っていましたが、主人公の学生時代の話や仲間との謎解きなどがそんなに都合よく色んな資料持ってきてくれてんの!?とか大人になってもキャッキャッという声が聞こえてきそうな学生のようなやり取りの軽快さがあることで面白く読むことができます。

ロシアによるウクライナ侵攻について始まったころよりニュースを目にする機会が減っているように思います。歴史や宗教が絡むとどうしてもその複雑さに状況を知ろうとすることを諦めてしまったり、遠い国のことと思って考えるのをやめてしまうことがあります。自分の生活を維持していくことが第一ではあるけれど、せめて少しでも関係のある本を読んだ時に現状を調べるなど知ろうとすることを辞めないで行きたいなと思います。


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