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句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読む。

句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読みました。



本の構成

序文→本編の俳句→跋文
の順になっています。

新緑のような緑色の装丁が、
収録されている俳句の内容と合っていると思います。


五句選

装丁だけではなく、
帯の一句にも惹かれて購入しました。

ソーダ水すべてが未来だつた頃

帯・159ページ

レトロ感と未来への明るい期待感が、
季語のソーダ水に詰まっています。

元日の港静かなキリンたち

21ページ

俳句らしい省略の一句です。

港のキリンですので、
キリンのような形のガントリークレーンのことだと詠みました。

喩が省略されていても無理なく伝わるという、言葉の選択の工夫があります。


行く春や砂場から出る五円玉

93ページ

日常にある不意の面白みを感じます。

喩にしても実景にしても、
五円玉がどうして砂場にあったのかも気になります。


葱提げてひかりの路を帰りけり

114ページ


葱も人も光の中にいるという、
「ひかりの路」という明るい景に惹かれます。


はつなつや貝殻のごと飛行船

155ページ

夏→貝殻→飛行船という連想ゲームのような流れが楽しい一句です。



買える場所

現代俳句協会のXのポストより。

現代俳句協会のネットショップ
妻恋坂書房

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