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突然の山の話

 学生の頃、小沢健二くんが好きだった。ラジオ番組のゲストで彼が出て、楽しみに聞いたことがあった。一部分しか記憶にないのだが、その番組は篠原ともえさんも出演している番組だった。
 篠原さんは、落ち着いた印象は今はさすがにあるが、その頃はとにかく賑やかな印象。小沢くんに可愛いと言われて絶叫していたような記憶もある。
 覚えているのは、そのとき話していたのとは違う内容。ちょっといいですか、と切り出し、今知ったんですけど、中国で○○○mの山が見つかったんですって。と、興奮気味に話し出した。何を言うのかな?と続きを待つと「気付けよ」というようなコメントだったと思う。それだけだったが、私のツボにはまったのか、彼の感性はいいと改めて思った。どういい、とか説明できないのだけど。なぜ、その山の存在を知らなかったのか。知らなかったというか、地元民は山はあるのは知っていたけれど、きちんと(?)認識されている山だと思い込んでいて、特に気にしていなかったのかもしれない。このニュース、どういう報道のされ方だったのか気になる。その山の周辺に住んでいた人たちのことを思う。
 なにかを知った瞬間に周りに言いたくなることは、たしかによくある。何を伝えたいと思うかは、それこそ人によって違うだろう。この山のニュースを見て、ラジオ番組の途中でこの話題を急に出す。彼以外だったら、取り上げるだろうか。そういう部分に人間味みたいなものを感じる。
 学生の頃。教科ごとの先生は、授業でしか姿を見ないから、どんな人なのかすぐには分からない。独り言を言うとか、奇抜な印象、個性が際立つ先生はすぐ覚えるけど、「普通」な先生は覚えにくい。授業中、時間ができたときする話だったり、誰かの質問に答えて、それが意外な回答だったりすると、とたんに人間味が出てくる。
まったく会わない人でも、ふと話す内容で人間が見える人がいい。知ってがっかりするようなのは、勘弁してほしいけど。

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