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Ubereats配達員してたらタケノコもらった話

ちょうど一年前くらい、緊急事態宣言が出て、バイトも無くなった時に、Ubereatsの配達員を二ヶ月間だけやっていたことがあります。


体力も筋力もない上に、前にも後ろにもかごがついているママチャリでの配達で少し恥ずかしかったですが、以前飲食店でアルバイトしていた時より時給も高くて、働きたい時に働けてとてもいいバイトだなあと思っていました。

しかし、体力がないので、キツくてやめました。


配達員を始めた時、緊急事態宣言下ということもあって

「玄関の前に置いててください。」という利用者の方が多かった中、


Ubereatの配達員をやっていてよかったなあ〜!

と、強く思った出来事がありました。

                 *


その日は、なかなか気分が乗らなかったのですが、ゲッターズ飯田さんの占いの本に「今日は出かけた方が良い」と言ったことが書かれてあったので、なにかあるかも!と、占い好きな私は感染対策をして、でかけました。



たまたま、昨日も行った焼肉屋さんでの受け取りだったため、

またお会いしましたね!毎日お疲れ様です!」と、とても愛想のよいおかみさんから言われて、緊急事態宣言が終わったらここのお店行こう!なんて思って、

その時点で、占い信じて出かけて良かったな〜。と思っていました。


美味しそうな炭火焼肉弁当を受け取って、自転車に乗って、元気よく走り出しました。


10分たらずで、マンションの前について、ピカピカなマンションだな〜なんて思いながら、インターホンを押しました。


はーい!少し待っててくださいね。


と、女の人の声がした。


注文者の方のメッセージに、「下まで受け取りに行きます。」と書かれてあったので、私は、ピカピカのマンションで、ほかほかで炭火のいい香りに包まれながらその方を待っていました。



しかし、しばらく待って。とは言われたものの、五分たっても出てこなくて、まだかな〜・・・なんて思っていると、


「お待たせしてすみません〜!」

と、

急いだ様子で、先ほどの声の女の方が出てきました。

年齢は私(19歳)のお母さん世代くらいの方でした。



ビニール袋を持ちながら、エレベーターを出てきた姿に、

いやしい私は「もしやなんか貰えるのでは。。!!

と思ってしまいましたが、それはないか、、と思って、

炭火焼肉弁当を渡しました。



すると、女の方は、


「もしよかったらでいいんだけど、 タケノコ いる?」


と私に訪ねてきました。



まさか、何かもらえるとは!の喜びと驚きと、

タ、タケノコ!??という思ってもいなかった貰い物にびっくりしましたが、


ケチで貧乏性な私は、

「いります!!!欲しいです!!!タケノコ大好きなんです!!!」


と、女の方の発言に被せるようにすらすら口から言葉が出ていました。それも腹の底からだした大きな声で。


ああ、やっちまった。さすがに前のめりすぎて、こいつ、もともとビニール袋の中身が何が何でも貰う。と計画していたな。と思われてしまったかも・・・なんて、プチ反省をしていると、



「あはは!!よかった!タケノコたくさんもらいすぎちゃったのよね。一人暮らしかな?
それでも、すぐたべれるように、下処理もして湯がいてあるから!

タケノコご飯とか、煮物とかにしてたべて!もしたべられなくても、冷凍したらいいよ!」


その方も、私と同じ熱量で私に言ってきたので、


私も、これはよかった!とさらに調子をつけて、


「タケノコご飯大好きなんです!だけど、自分だと下処理もできなくて、高いのでなかなか買おうとも思わないのですが、実家に帰った時はおばあちゃんにいつもタケノコご飯を頼みますし、タケノコの煮物なんてまるまる1つ分一気に食べちゃいますし、タケノコの天ぷらというリッチな食べ物も大好きなんです。」


目を飛び出させながら、スティーブ・ジョブズがプレゼンしているような身振り手振りで、ベラベラ語りました。


「わあ!よかった。今の時期しかたべられないし、タケノコ、何にしても美味しいよね!タケノコご飯とかも、ネットで調べて、作ってみて!」



「はい!!!作ります!!料理大好きなんで!!!」

料理は、「好き」くらいだったのですが、「大好き」という言葉に変換させて、応援部長に叫んでいました。


随分と長い立ち話しをして、

ふと、


(そういえば、私は、Uber配達員で食べ物を届けにきただけだったんだ!そういえば、炭火の匂いもだんだん薄まってきているゾ。冷めてきている証拠だ!)


と、焦って、お別れをしました。


Ubereatsのアプリでは、もうその人にメッセージは送れないようになっていて、(当たり前ですが。。。。)


やっぱりちゃんと、一度お礼を言うために、住所をスクショとかして手紙でも送ったらよかったな。と後悔しました。


その日は、幸せな気持ちに満ち溢れて、ルンルン気分で家に帰りました。


もう、夜ご飯は食べ終わっていたので、


帰ってすぐに、明日の朝たべれるように、クックパッドでタケノコご飯のレシピを検索して、タケノコご飯を炊飯器の中にセッティングしました。

ツナ缶と、人参を入れた炊き込みご飯です。

タケノコの下処理のおかげで5分で作れました。


次の日、タケノコご飯を食べました。

タケノコご飯を自分で作って、自分の家で食べる日が来るなんて!!!

と感動で泣きそうな勢いで食べました。


感謝を伝えたいな〜と思い、フォロワー3人のツイッターでこのことをツイートしましたが、もちろんいいねすらつかない状況で、


マンションの前で待ち伏せしたらいいじゃん。と思ったのですが脳みその大きさが小指ほどしかない私は、マンションの場所も、名前もすっかり忘れて、ピカピカだった。と言うことしか覚えていませんでした。


                 *


今日、タケノコをスーパーで見て、このことを思い出しました。


タケノコご飯、また食べたいな、、と思いましたが、高いから我慢しよ。と思ってまた、買わずじまいでした。


Ubereatsの配達員と、タケノコ

全く繋がりのなさそうなこと同士が繋がった出来事。


これからタケノコを見るたびにこのことを思い出すと思います。


ものを受け渡すことでしか、人との関わりがないただの「ものを運ぶ人」でしかなかった配達員のアルバイトで、人の温かさをとても感じれる出来事を体験できました。


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