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そのサッカーを疑え!

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2021年1月の記事一覧

19年前のセルタ・デ・ビーゴを想起する清水エスパルス、クラモフスキー→ロティーナの交代劇

19年前のセルタ・デ・ビーゴを想起する清水エスパルス、クラモフスキー→ロティーナの交代劇

 昨年の今ごろ、清水エスパルスについて筆者は「今季は面白そうだ」と記している。その前のシーズン(2019年)に優勝した横浜Fマリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の下で参謀役を務めたピーター・クラモフスキーを、新監督に迎えたからである。攻撃的かつ今日的。横浜FMと同種のサッカーが拝めるのではないかとの期待感に後押しされた格好だった。

 ところがクラモフスキーは、シーズン途中にあえなく解任。横浜

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久保建英に望まれる「トップ下幻想」からの脱却

久保建英に望まれる「トップ下幻想」からの脱却

 右ウイング、左ウイング、真ん中(トップ下)。たとえば4-2-「3」-1なら、「3」のどこでもできる多機能性が、久保建英の魅力の一つだ。それがなければ、出場機会はその分、減っていた可能性が高い。多機能性が久保の成長を後押ししている印象だ。

 その中でも一番やりたいポジションについて久保は、何日か前にWOWOWで放送された、彼自身の特集番組の中で、こう述べていた。

「トップ下」。

 しかし、一

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久保建英。目指すべきは左右両刀遣いの強シューター

久保建英。目指すべきは左右両刀遣いの強シューター

 レンタル移籍先がビジャレアルからヘタフェに移った久保建英。1月11日に行われたエルチェ戦がデビュー戦となった。登場したのは後半19分で、ポジションは右ウイングというかサイドハーフだった。評価するならば、10段階で6.5と言いたくなる、上々のプレーを披露した。

 昨季プレーしたマジョルカは2部に降格。今季移籍したビジャレアルは現在4位と、チャンピオンズリーグ出場圏内を堅持する。そして年明けに移籍

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「サッカーはSBが活躍した方が勝つ」「サイドを制したものが試合を制す」。天皇杯決勝で再認識したもの

「サッカーはSBが活躍した方が勝つ」「サイドを制したものが試合を制す」。天皇杯決勝で再認識したもの

 元日に行われた天皇杯決勝、川崎フロンターレ対ガンバ大阪戦。優勝した川崎で、目に付いた選手は両サイドバック(SB)だった。山根視来(右)と旗手怜央(左)。「SBが活躍した方が勝つ」とは、かつて欧州で、監督や評論家等々を取材した際にレクチャーされた、近代サッカーの格言のようなものだが、天皇杯決勝を観戦していると、その言葉が脳裏をすーっとよぎるのだった。

 右の山根は前半2度、右サイドの高い位置でS

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