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そのサッカーを疑え!

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2021年8月の記事一覧

川崎の浮沈のカギを握る山根視来。「サッカーはSBが活躍した方が勝つ」

川崎の浮沈のカギを握る山根視来。「サッカーはSBが活躍した方が勝つ」

 つい1年ほど前まで日本代表に選ばれると思っていなかった選手が、今回もしっかり選ばれていた。W杯最終予選対オマーン戦(9月2日)、中国戦(9月7日)を戦うメンバーの中で、フィールドプレーヤーとして選出された国内組はわずか4人。その1人であるだけに貴重な存在に見える。川崎フロンターレの右サイドバック(SB)山根視来のことだ。

 右SBの候補として選ばれた選手は山根を含めて3人。他に酒井宏樹(浦和)

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「デュエル王」って何? サッカーに50対50の競り合いはない。競技性の本質に迫るデータとは

「デュエル王」って何? サッカーに50対50の競り合いはない。競技性の本質に迫るデータとは

 サッカーはデータが少ない競技だ。打率、打点、本塁打、防御率等々、各種データで溢れかえる野球はもちろん、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、アメリカンフットボール、ラグビー等々と比べても、データの少なさが際立つ。個人データでは得点ランキング、チームデータでも頻繁に目にするのは、ボール支配率ぐらいだ。アシストもアイスホッケーほどクローズアップされることはない。

 とは言っても、世の中はデ

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森保監督に望まれる、全員が活躍する選手に優しい采配

森保監督に望まれる、全員が活躍する選手に優しい采配

 吉田麻也は、五輪の開幕前に神戸で行われたU-24スペイン代表との親善試合後、テレビカメラに向かって、「五輪は有観客で開催して欲しい」とアピールした。吉田はキャプテンなので、それは選手全員の代弁者のように聞こえたが、実際はどうだったのだろうか。

 初戦で対戦した南アフリカや、6月に親善試合を行ったケニアも、入国時の検査で陽性反応が出た選手を抱えていた。口には絶対に出さないが、U-24日本代表に招

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五輪男子サッカー。スペイン、メキシコにあって日本にはない覚悟、こだわり、哲学

五輪男子サッカー。スペイン、メキシコにあって日本にはない覚悟、こだわり、哲学

 五輪の男子サッカー。今回の東京五輪でこれまで、最も高い視聴率をマークしているそうだが、筆者としては、うれしさ半分という感じだ。それは日本のスポーツ界にとって、歓迎すべき話だろうか。男子サッカーの裏番組で文字通りの世界一決定戦が行われていれば、そちらを視聴した方が、スポーツの普及発展には繋がると思う。五輪サッカーは世界一決定戦ではない。W杯のステイタスを10とすれば1。先日行われた準決勝、日本対ス

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