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そのサッカーを疑え!

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2022年3月の記事一覧

久保建英の成長スピードはなぜ鈍ったのか。輝ける三笘薫と比較してみた

久保建英の成長スピードはなぜ鈍ったのか。輝ける三笘薫と比較してみた

 バルセロナの下部組織でプレーしていた久保建英が、FC東京、横浜F・マリノスを経由して、レアル・マドリーへ移籍したのは2019年6月。日本代表にデビューしたのも、同時期に行われたエルサルバドル戦だった。

 いまから3年近く前の話になる。ほどなくしてマヨルカにレンタル移籍。思いのほか出場機会に恵まれないその姿を見て、こちらは時のマヨルカの監督を恨んだものだ。

 とはいえ一方で、その時18歳になっ

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森保Jポジション別に見る強みと弱み

森保Jポジション別に見る強みと弱み

 せっかく予選を突破したのだから、重箱の隅を突くような真似は慎めと言うお叱りの声がどこからともなく聞こえてくるが、それでもやはり一言いいたくなる。先のオーストラリア戦の森保采配についてだ。

 選手交代は、この試合でも4人しか行われなかった。

 後半44分。山根視来の折り返しを三笘薫が流し込んだ瞬間、日本のW杯本大会出場は決定的となった。追加タイムは4分。そこからでも5枚目の交代カードを切ること

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レベルの高い選手がレベルの低い監督になりそうな日本サッカーの構造的矛盾

レベルの高い選手がレベルの低い監督になりそうな日本サッカーの構造的矛盾

 サッカーの試合をテレビで何気に観戦していていたら、実況アナ氏と解説者が気になるやりとりをかわしていた。ボールが相手の陣を外回りしている状態です。なかなか中に入って行くことが来ません。初めて耳にする言い回しではなかった。以前にも似た状況を、別の実況アナと解説者が同じように伝えていた。

 引いて構える相手をどう崩すかと言えば、伝わりやすいかもしれない。日本代表がアジア予選で格下と戦う場合に課せられ

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R・マドリーの左サイド対PSGの右サイド等。「サイドを制するものは試合を制す」が該当する試合の数々

R・マドリーの左サイド対PSGの右サイド等。「サイドを制するものは試合を制す」が該当する試合の数々

 直近の5シーズンで4回優勝した川崎フロンターレは、その前に一時代を築いたサンフレッチェ広島(2012年〜2015年シーズンの間に3度優勝)とは、サッカーのスタイルが決定的に違っている。

 現在J1で川崎と首位を争う横浜F・マリノスも、近しい関係にあるのは川崎だ。

 広島の前に一時代を築いた鹿島アントラーズ(2007年〜2009年シーズンを3連覇)は、川崎的でも横浜FM的でもなかった。広島的で

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